けまけましい君が (ページ19)

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留三郎が19匹ページ19

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日常が戻ってきた。今の私は忍術学園のA。

『あ、さぶちゃーん』

探していたのはもふもふ長髪が特徴的な五年生の彼。鉢屋三郎くん。

さぶちゃんはぴくりと肩を震わせてから、ギギギ……と音がしそうな程のぎこちなさで振り向いた。顔はしっかりしかめてる。

「折原Aさん、こんにちは」

『こんにちは、鉢屋三郎くん』

「今度は何ですか。ていうか何で後ろからなのに私の変装を見破るんです！貴女はいつもそうですけど」

何でって言われてもねぇ……。雷ちゃんとさぶちゃんは別物だし。いや一緒なんだけど。

『んー、あ！雷ちゃんは優しさが溢れてるからかも』

「それは私が優しくないという意味ですね？」

『きゃーっ！違います違います許してください三郎様ー！！』

一通り私を威圧して満足したらしいさぶちゃんは「それで何の用ですか」と話を元に戻してくれた。

『そうだった。あのね、これをあげようと思って』

私の手のひらに置かれているのは小さな羊羮。一つ一つ竹皮に包まれている。

この間実家に帰ったときお兄様がお土産に持たせてくれたんだけど、如何せん量があるからこうやって配ってるんだ。

「羊羮……？」

『そう。さぶちゃん甘いもの嫌いだっけ？雷ちゃんにあげたからさぶちゃんにもあげようと思ったんだけど』

するとさぶちゃんはまた不機嫌になる。なんで。

「そうやって雷蔵を誑かすのは止めてくださいっていつも言ってるじゃないですか！」

『誑かすって』

「低学年の子たちなら分かりますけど、もう14の雷蔵を撫でたりするのは止めてください！」

……ははーん、なるほどね？そっかそっかー。んふふ。なーんだ、さぶちゃんも可愛いところあるねぇ。

「……何故そんなに気持ちの悪い笑みを浮かべるんです」

『気持ち悪いなんて言わないで！……さぶちゃん、今まで気づけなくてごめんね。これからはさぶちゃんにも沢山してあげるからね』

「は？いや、ちょっとAさ、うわぁ！！」

私はさぶちゃんの頭をこれでもかというほど撫でまくった。雷ちゃんだけ甘やかされて寂しかったんだよね。年下可愛い！！

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メルです。
お察しの通り、二推しは雷ちゃんとさぶちゃんです。双忍は、はちゃめちゃに可愛い。