検索窓
今日:9 hit、昨日:11 hit、合計:10,353 hit

けまとめくんが12匹 ページ12

留三郎side





学園長先生からAを呼んでこいと言われ、六年の長屋から少し離れた空き部屋の多い長屋に向かう。



「Aー。学園長先生が呼んでるぞ」



そう部屋から出てきたAに告げると、Aは硬い表情で


『分かった……』


と呟いた。



その様子がおかしくて、俺はどうかしたのかと何度も訊ねたけれど、Aはなんでもないの一点張りで。学園長先生の庵に吸い込まれてしまった。



仕方がないから引っ掛かりながらも自室に向かおうとすると、横の空き教室から複数の手が出てきて俺を引っ張り込んだ。



「うお!……なんだよ」



「なんだよじゃないよ!留三郎、Aちゃんの態度気にならないの!?」



そこにいたのは六年生全員。伊作が噛みつくように問いかけてきた。



「気になるけどどうしようもないだろう」



「気になるなら早く学園長先生の庵に行け!」



仙蔵の無茶、というか無礼な助言に「いやそれは駄目だろ」と返すと、小平太がとんでもない爆弾を落としてきた。



「でもA、結婚するらしいぞ」



「は」



結婚……?結婚ってあの??年齢的にはAもちょうど良い年だけど、Aが……?


待て待て向こうで仙蔵が何か言ってるぞ。結婚じゃなくて縁談?そうかそれなら良かった……。




「…………良くない良くないちょっと待ってくれ、Aに縁談……?」



「早く庵に行ったらどうだ。屋根裏からなら話が聞こえるぞ」



文次郎が「それとも留三郎は屋根裏に忍び込むなんて事出来ないのかぁ?」と煽っているのかなんなのか分からない事を言うので、俺は「うるせぇ!」と叫んでから走って部屋を飛び出す。



後ろから六年が着いてきていてなんでだよと思いながらも、屋根裏から皆で下を覗き見た。




「Aちゃん、怖い顔してるね。緊張してるのかな」



「もそ」



伊作の言葉に長次が肯定を返す。



Aは本当に険しい表情をしていた。

けまとめくんが13匹→←けまとめくんが11匹



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (40 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
33人がお気に入り
設定タグ:食満留三郎 , 忍たま
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:香月メル | 作成日時:2021年12月27日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。