【相澤消太】２つ上の恋人は今日もかわいい【男主】 (ページ2)

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バレンタイン（生徒×生徒）① ページ2

【あなたside】

東京の事務所から新幹線と特急を乗り継いでやっと雄英高校に着いた。

現在の時刻は午後4時半過ぎ。

雄英セキュリティを通って、忍びの如く気配を消しつつ恋人の姿を探す。

チラリと覗き見た教室では友チョコ交換を楽しんでいた。

本日は2月14日、バレンタインデーである。

フルタイム勤務なので帰れないはずだったが、予想よりも敵を捕まえられたため、今日の午後はゆっくり休みなさいと直帰させてもらえた。

先輩の気遣いをありがたく頂戴して、新幹線の中で1時間だけ寝た。

布団で休めという意味だと承知しているが、好きな人と過ごせば疲れなんて吹き飛ぶので問題はない。

明日もインターンがあるので渡すだけ渡して去るつもりである。

先週聞いた予定では何もなかったはずなので大丈夫だろう。

でももし急用があったり、迷惑そうだったりしたら「忘れ物しちゃった」なんて誤魔化して去ろう。

1年生は7時間目がある日なのでホームルームの最中だ。

当クラスの教室の真上のベランダから、コウモリのように顔だけぶら下げるようにして様子を伺った。

疲れ切った体に鞭を打つ体勢だが、体幹のトレーニングもなるしいいかと筋肉バカの思考回路で耐える。

「以上、今後も怪我には気をつけるように。起立。礼。解散」

担任が挨拶ととともに教室から出ていく。

一斉に立ち上がった生徒達は、仲の良いグループに分かれて放課後を満喫するようで相澤も例外ではなかった。

換気のために空いた窓から会話が漏れる。

「Hey、相澤！今日の放課後は……」

「用があるから無理だ」

「この日に用っておいおい！」

「彼女とデートか！」

友人からの推測に「内緒だ」と言い残して教室から去る。

否定でもなければ、肯定でもない。

俺は東京にいるのにどうやってデートするんだ。

疑わしきは罰す、処す、殺す。勿論その相手を。

カチッとヤンデレスイッチが入り、パラメータが最大の100まで上がる。

マスクの下は怒りと酸欠で真っ赤に染まる。

どこのどいつだ。残念、家族(親戚でも可)でした！オチ以外は認めない。

近所に住む幼馴染は黒に近いグレーなので黒とする。