そこの車止まりなさい5（ＭＩＵ４０４） (ページ12)

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2日後、私と九重はグエンさんの働くバイト先へと車を走らせる
　
着いたお弁当屋さんは庶民的で雰囲気の良いお店だった
　
『すみません、お忙しい中すみません少しお話良いですか？』
　
店員と思われる若い女性、彼女も留学生だろうか少し戸惑っているようだ
　
「あの、店長呼んできてもらってもいいですか？」
　
九重の言葉を聞き急いでバックヤードへと走っていく
時間が少し早いからなのか周りを見渡せばお客さんの姿は見えない
1分も待たないうちに店長が慌てた様子で向かってきた
　
「すみません、うちの店員が何か粗相をしましたでしょうか。」
　
『いえ、少し聞きたいことがあって来たんです。』
　
驚いた顔をした店長はバックヤードに私たちを通す
こじんまりとした休憩室に敷き詰められた椅子に座って店長を待つ
　
顔が強張った店長が私たちの前に座る
　
「…何かありましたか？」
　
『ここでグエン・ヴァン・ナムさんって方働いていますよね？』
　
名前を聞いてすぐに彼はファイルを取り出しガサガサと何か調べ始める
何もまだ言ってないのに何を調べてるんだか
　
「あの、落ち着いていただいて大丈夫ですよ。」
　
『9日の深夜3時ごろってナムさんはこちらにいましたか？』
　
「9日ですか…その日は私居なくてわからないのですか、シフトでは…入ってます！入ってました！よかった。」
　
危なっかしい手つきでパラパラとファイルをめくれば明らかに安堵した声を漏らす
純粋に心配してなのか、犯罪者がこの店から生まれなくてよかったという事なのか
　
私には分からなかったが店長の不気味な笑いが胸糞が悪いのは変わらなかった