そこの車止まりなさい3(ＭＩＵ４０４)

17 ページ17

早速情報収集をし、ある程度集まった所で毛利さんと向島さんを呼んで会議を始めた

私達と志摩さん、そして班長の事情聴取で共通して上がってきたのは、トローチ型のクスリ
ドーナツepだった

「ドーナツepはこの2年くらい六本木を中心に流通しているものです、特徴は真ん中のその穴。」

「これまで税関に上げられておらず製造国は不明、従来のものより粗悪で安い値段で出回っています。」

「つまり若い子が軽い気持ちで手を出しやすい、中毒性も強いから1度手を出したらやめたくてもやめられない終わりのない地獄。」
　
「これを陸上部のやつらが学校内で売ってたってこと？」
　
「廃部にまでしたという事は陸上部全体に広がっていたんでしょう。」
　
「廃部前の名簿を出させよう、その中に売人の生徒と今回の虚偽通報の生徒がいる。」
　
淡々と進んでいく会議の中で毛利さんは少し困った顔で言った
　
「いやぁでも、あの校長がそんな素直に提出しますかね。」
　
「強制的に出させる。」
　
いつになく強い言葉で毛利さんに食って掛かる隊長に、私はなんだか鬼気迫るものを感じた
　
「去年の春季大会の400で2位だった選手、バシリカ高校の当時2年、成川岳でした。」
　
「バカだなぁ。」
　
思いにふけるように出した伊吹さんの声は静かな会議室に響いた

18→←16

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す