【名探偵コナン】あなたしか見えない

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毛利さんは私を見つけた瞬間に立ってお辞儀をした。


なので私も毛利さん一家にお辞儀をする。


……一家と言っても1人は居候らしいけど。


「おはようございます。毛利さん」


「Aさん、おはようございます。今日は仕事はお休みですか」


この人、毛利小五郎さんはポアロの上で探偵事務所を経営してる名探偵。推理をする時眠った様な姿勢をする事から『眠りの小五郎』と呼ばれている。



実際には見たことは無いが、新聞であんなに取り上げられていれば嫌でも目に入る。


それに毛利さんには何度かお世話になったこともある訳だし。



「そういえば毛利さん達こそ今日はどうしたんですか？朝食はいつもご自宅で食べられていた様な……」


「あっ、それは今日はたまたま私が寝坊しちゃって」


えへへっ、と腕を頭の後ろに回し恥ずかしそうに笑っているのは娘さんの毛利蘭ちゃん。


「そうなんだー、この時期は布団からなかなか出れないもんね」


今は冬真っ只中。布団が恋しい季節だ。
私も毎日の様に苦労している。


「そうなんですよ！！なのにお父さんたら『お前は気合がたらんから寝坊なんてするんだ〜』って言うんですよ。自分だってしょっちゅう寝坊する癖に」



「大変ね、蘭ちゃんも」



ああ、本当にいい親子だな。癒される。


「ねぇねぇ、Aさん。なんで晴れてるのに傘持ってるの？」


「えっああ、これね」

そしてこの子が居候してる江戸川コナンくん。賢くてどこか大人っぽい子。


私が知らない事を知ってたりするから会うたびに本当に驚かされる。



「実はこの傘、借りたものなんだけどね、持ち主の家が分からなくて……名前はわかるんだけど」



「へえー、でその人の名前は？」





「名前？名前は赤井秀一さんって言うんだけど知ってる？」

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