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「えっ、今なんて……」
「だから俺が送って行くと言ったんだ。」
「あ、はい。」
いきなり過ぎて困惑しています。この人が送ってくれるの?わたしを?
まあ、ここでダラダラしててもしょうがない。ここは有難く送って貰おう。大丈夫だ多分。
「ありがとうございます。じゃあお言葉に甘えて」
「ああ、で何処に行くんだ」
「駅までなんですけど」
「駅までか。ちょうどよかった俺も行くところだったんだ」
そう言って彼は2つ持っていた傘を1つ私に貸してくれた。
あ、2つ持ってたんだ。
やっと家に帰れる。そう思うだけで心が軽くなるような気がした。
「ほら行くぞ」
歩き出す彼に慌てて私も足を踏み出す。歩くたびに水溜りの水が服に少し飛び散る。
傘に雨がぶつかる音、地面に雨がぶつかる音。
普段気にしないような事までがまるで私に気づいて欲しいのかと言うぐらい主張する。
それは私が名前も知らない彼に緊張しているのかもしれない。
「………」
「………」
……沈黙が辛い。
何か話題を振らなくちゃダメだよね。これ。
えーと、えーと取り敢えず……
「名前!名前何て言うんですか?」
……
や っ て し ま っ た
声の大きさを間違えるという。痛恨のミスをしてしまった。変な人だと思われていたらどうしよう。
今になって顔に熱が集まっているのをゆっくり感じていた。恥ずかしくなった私は顔を下に向けた。
「ふっ……面白いな君は」
意外な言葉に私は下げていた顔を勢いよく上げて彼の方を見る。するとずっと真顔だった彼が笑っていた。
私も彼につられて笑い、
「笑うんですね、貴方も」
この言葉は自分でもビックリするぐらい自然に出てきた言葉だった。
何故こんな事を言ったのかは分からなかった。でも、彼が笑わない人だと思って言ったわけでは無い。
きっと彼が笑うところを見て嬉しく思ったからだと私は思う。
「俺も笑うぐらいはできる。ああ、俺の名前だったな俺の名前は
赤井秀一だ」
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とうふ娘(プロフ) - シェラさん» コメントありがとうございます。続きが気になるなんて嬉しいです!更新遅くてすみません。これからも亀更新になるかもしれませんが、頑張ります。 (2017年3月26日 23時) (レス) id: d7ad53d811 (このIDを非表示/違反報告)
シェラ - とっても面白かったです。続きがとても気になります!更新頑張って下さい(●^o^●)応援してます! (2017年3月23日 13時) (レス) id: 5029201a39 (このIDを非表示/違反報告)
りいあ(プロフ) - そうなんですよ(涙)ありがとうございます! (2017年1月30日 18時) (レス) id: b47f4aff1e (このIDを非表示/違反報告)
とうふ娘(プロフ) - りいあさん» わわっ!受験生さんですか!?りいあさんこそ頑張ってくださいね! (2017年1月30日 15時) (レス) id: d7ad53d811 (このIDを非表示/違反報告)
りいあ(プロフ) - 全然大丈夫です!うちも受験生なのでwテスト頑張ってください! (2017年1月29日 14時) (レス) id: b47f4aff1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とうふ娘 | 作成日時:2017年1月17日 21時