コミュ障の鬼殺隊士は誤解と冷や汗を撒き散らしながら今日も往く。 (ページ7)

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勘違い5つページ7

えっなんでこの人鳥居にしがみついてるんですか？無機物愛者とかそういうタイプには見えませんし…

うーん一応こういう時ってちゃんと最終選別に行くように諭すのも私の役割なんですよね…気が小さい子だと行くのを渋る子って全く居ないわけじゃないので。

ただ問題がひとつあるんですが…

『ちょっとそこのたんぽぽさぁん？いつまでそこでﾌﾞﾋﾌﾞﾋ鳴いてるんですかぁ？そろそろ最終選別に向かわないと鬼に殺されるまでもなく私が丸焼きにしちゃいますよぉ？(特別意訳：あの善逸さん。いつまで泣いてるんですか？そろそろ行かないと鬼に食べられる前に失格になっちゃいます……)』

おっっっっっそろしく私にむいてないんだなこれが！！！言いたいことがしっちゃかめっちゃか過ぎて自分でも恐ろしいわ！！！

そう声をかけると、たんぽぽさんはぐしぐし言いながら私を見上げた。

涙目で情けなく泣き崩れているのに、彼の泣き顔はどこか愛嬌があってなんだかほおっておけなくなるのだ。

『(こう見るとちょっと童顔？普通にしゃんとしてたらかっこいいだろうに、なんか残念な人だな…)』

「ねぇツンデレちゃんもしかしたらだけどだいぶ失礼なこと考えてない？？ねぇ！！！」

『うるさいです貴方に対して失礼な言葉なんて地球上に存在しません』

「手厳しい！！！！」

この人、きつい喋り方に対して本当に引いたり本気で怒ったりしないんですね…なんだろう、胸がもにゃもにゃする…嫌な感じじゃないんだけれど少しくすぐったい？

そこまで考えるとたんぽぽくんはまたにやつきだした。あっこれそういう類の感情か。なるほど黙らせよう。

「やぁ〜ツンデレちゃん可愛いなぁ〜♡今もなんだかもじもじしてるねｺﾞﾍﾟｱｯ!!!」

『(肘鉄をお見舞いして)あら失敬。綿毛がうざったかったので振り払わせて貰いました。』

「綿毛？！！それ俺の事？？！！俺の事完全にたんぽぽだと認識してない？」

『間違いではないので』

「否定してぇ！？そこは嘘でも否定してぇ！？」

久しぶりに沢山他人と喋った。こんなにも人と話したのはパパとママが生きていた頃以来でしょうか。今はもう何処にも、大好きなパパもママも居ませんけどね。

たんぽぽさんはおもむろに私の手をとると「ツンデレちゃん！！俺と愛の逃避行しない？？」と言った。

私は彼の手を振り払うと『アホですか？最終選別はどうしたんです』と言ったが彼はやだやだと駄々をこねるばかり。

あぁこの人ダメだ…致命的にヘタレだ。