勘違い9つ ページ12
私が煽ったからかイノシシ頭くんはぷんすこ怒っているようだった。いやぁあれは不可抗力です!
「もうなんでもいい!決闘しろ!!」
『えぇ〜いやですぅ〜』
さっきからもうずっと追いかけっこ状態。いやぁこれどうしようもないね。ここまで戦闘狂だとは思っていなかったよ流石に。
足の速さは大体同じくらい。このままだといたずらに体力を消費するだけだ。他の強い鬼だっているのだしさっさと抜けるか……
『語の呼吸・弐の型…蒼空幻馬-ソウクウゲンバ-』
地を高く蹴って一気に上昇する。蒼空幻馬は比較的持続時間の長い型で、縦移動と横移動…つまりめちゃくちゃ高く跳べて速く走れる技だ。
しかし持続時間が長いとはいえ15秒あるかないかなのでさっさと退散しなくては。
想像しよう、天高く舞い上がり空をかける幻馬を。
いつか叙事詩で読んだシャルルマーニュ十二勇士であるヒポグリフに跨った戦士・アストルフォのように。
高く、速く、どこまでもどこまでも遠くまで!!!
心も身体も自然と高揚してなんでも出来そうな気さえしてくる。顔も自然と綻んでふわりと飛び跳ねたくなるくらい気分がいい。
余談ではあるが実はコレは若干物語に侵食されている状態である。本来のAはこんなにもお気楽に表情を崩したりはしないが、今彼女が使用している物語はシャルルマーニュ十二勇士アストルフォの物語…
彼は作中で大変ユーモアと好奇心に溢れた人物として描写されているため彼女もそれに引きずられているのだ。
これが酷くなると完全に人が変わったようになったりする。もしかしたらツンデレ(極)なのもこれの弊害かもしれない。
『あははは!たーのしーい!あははゴペアッ!!!』
…正直調子に乗りすぎました…そりゃ飛行(?)可能時間超えたら落ちますよね。
『……っつぅ〜〜!!』
背中から落ちたので幸い受身は取れたもののじんじんと右肩が痛む。河原に落ちたようで石ころが所々突き刺さっていた。
イノシシ頭くんの気配はもうしないからまけたにはまけたはずだけれど…
「あの…大丈夫か?空から降ってきたんだが…」
声をかけられて咄嗟に起き上がって警戒態勢を取ると、話しかけてきたチョコミント色の赤毛くんは「大丈夫だ、武器は持っていない!」と言って両手をサッと上げた。
いやおもくそ日輪刀もってますがな。
心の中でツッコミを入れたがなんとか堪えて口には出す事はなかった。
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エナ(プロフ) - 腹黒やばないがツボった (2019年9月15日 12時) (レス) id: 11aae5328b (このIDを非表示/違反報告)
さんまるてぃん(プロフ) - アリアナさん» お返事遅れてすみません!時透くんですね、了解です! (2019年9月4日 15時) (レス) id: c51e84ebb6 (このIDを非表示/違反報告)
アリアナ - もし良ければ番外編とかで時透くんとの絡みがあったらうれしいです。 (2019年9月2日 22時) (レス) id: 99796aaed6 (このIDを非表示/違反報告)
さんまるてぃん(プロフ) - 無気力みかんさん» 乙音ちゃん良いですよね…ツンデレの師として崇めてます (2019年8月27日 20時) (レス) id: c51e84ebb6 (このIDを非表示/違反報告)
無気力みかん(プロフ) - お、乙音ちゃんみたいだ………萌え (2019年8月26日 18時) (レス) id: d571eebd63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さんまるてぃん | 作成日時:2019年8月19日 13時