カップルじゃなくコンビ【宮侑】 (ページ4)

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「Aちゃん、好きなんやわ、付き合ってくれや」

ただただ嬉しかった。自分の人生で12を争うほど、嬉しかった。
私が侑を好きなように、侑も私のことが好き。それだけがわかっただけで、もうなんでもできると思った。それぐらい嬉しかった。

だけど、私は侑を振った。

なぜなら、私一番の親友も侑のことが好きだったから、そしてその親友に私も侑のことが好きだと言っていなかったからだ。急に私侑のことが好きで付き合うことになったって言われたら、私はどうするんだろうと考えると、怖くなった。

だけど、侑と話している時とか、治に侑のことを聞いていたりとかでバレー部のみんなをみて薄々感じていたのだろう、侑は私が侑のことを好きなのを知っていたと思う。

そんな侑が小さく、小さく「俺のこと嫌いになったんか…？」と聞いてくるものだから

私は振ったのに、振ったのに「ううん、好き、好きなんや」と言ってしまい、

「なら、付き合おうや」と言ってくる侑を見て私はもっと胸が苦しくなり、

「侑はな、私の親友と付き合ってあげや」

などと、私の人生の中でナンバーワンのクソ発言をした。

侑はそれにカチンときたのか、「意味がわからん、俺が好きなのはAちゃんや、Aちゃんがその親友のせいで付き合えないっていうなら、どうしても俺と付き合いたい、俺しか無理って言わせたる」

それに対して煽られ上手な私は
「いいで、私は絶対に侑とは付き合わん」

これからだ、私たちの攻防を寺宮コンビと言われるようになったのは。