【gnki】夢見心地 (ページ26)

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悪夢上映会【yk】ページ26

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僕が保育園に通っていた頃からAは病気を患っていた。なので、幼馴染の僕がAの事を精神的にも支えてきたのだ。僕はそれが嬉しかった。何だか、二人だけの秘密みたいで。
＿でもそれが、終わりを迎える時が来た様だ。

ほんのちょっと、廊下から聞こえてきた言葉を僕の耳が拾ってしまった。
難しい言葉の合間合間に、回復、だとか退院だとか。そんな言葉が聞こえてきた。
Aは僕達と同じ様になるんだ。このままだと、Aは何不自由無く過ごす事になる。
大好きな友達として、喜ばないといけない、のに。
僕はそれが嫌だった。もしかしたら、Aは他の友達を作って、僕を捨ててしまうかもしれない。
そしたら、僕はどうしたらいいんだろう。ひとりぼっちは寂しい。
そんな不安を抱えて開けたAの病室のドア。
僕の顔はいつもより明らかに暗いだろう、それを見たからか、Aは『どうしたの』と囀った。

「もう、Aの病気が治らないかもって、お医者さんが、」

寂しがり屋の意気地無しの僕が、咄嗟についた嘘。
Aの前では吃ってしまう癖に、今日だけはスラスラと息をするように出た。
僕が喋る度にAの顔が歪んでいく。駄目だと分かっている。そんな事知ってるんだ。
けれど、一夜限りでいいから、僕と同じ気持ちになってほしくて。

＿エンドロールが流れる中、泣くのは僕とA。あぁ、ずっと悪夢の中でAと彷徨いたいな。