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振り向いた途端、私のスマホはそめ先輩の手に渡る。
返して、その意味も込めて取り上げられたスマホに手を伸ばすが、そめ先輩と私の身長差では圧倒的に届かない。
なんで、こんな事。
そめ先輩は電話画面のミュートボタンを押し、私の方を見る。
『あ、あの…』
そう訴えかけるが、勿論ノコノコと渡す様な素振りは見せず。
私の方をじっ、と見て少し微笑んだ。次に口は開かれる。
「何でさ、こんな奴と友情ごっこ続けてんの？」
『＿え、』
そんなの、こっちが教えて欲しい。
何で私は、こんな奴と＿いや、友達が減るからじゃないか。そんな事、分かってる。
何故そめ先輩はそんな事を問いただして居るのだろうか。
いつも通りの先輩とは思えない可愛い笑顔は、昼日と共に消えてしまった様だ。
代わりに昇ったのは、夕日のような不思議で少し恐怖を感じる微笑み。
違う、何時ものそめ先輩じゃない。何か様子がおかしい。
もしかして、私が友人と長く電話をしてしまったから？友人の礼儀が悪かったから？なんで？
困惑する私に、そめ先輩は微笑んで無慈悲にもクエスチョンマークを突きつける。
「＿うんわかった、じゃあこうしよう。」
「Aの事を貶す惨めなヤツと俺、どっちを選ぶ？選んだらもう片方は切り捨てる事になるからね。選ぶってことはそういう事だよ」
質問は酷く噛み砕いた物だった。具体例を出さなくても、その私の事を貶す惨めなヤツは悲しいけれど誰だか良く分かる。
どうしよう、友人を待たせている。けれど、その肝心のスマホはそめ先輩の手に渡っていて、
でも、早く、早く答えないと。
グズグズしていたらそめ先輩にも怒られちゃうかもしれない。でも、よく考えないと、
ジリジリと当て付けられる視線が痛い。
私はどうしたら、
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作成日時：2021年8月28日 0時
