【gnki】夢見心地 (ページ20)

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リクエスト‐‐‐盲目的回答【cns】ページ20

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『も、もうちょっと遅く、ゆっくり読んでください…すみません。』
「んーん、大丈夫。分かりにくいもんね。」

頭が痛くなる様な英語の羅列をペラペラと読み上げるそめ先輩。
さっきよりかはゆっくり読んでくれているが、バカな私にはまだまだ速い。

しかし、そめ先輩がヒントを出してくれると、難解な謎も直ぐに解ける。

「少ししかヒント出てないのに解けるなんて、Aは頭いいね。」

先輩の手が私の頭に伸びる。
ぽんぽん。
漫画だったらそんな音がなりそうな頭の撫で方。何だか少女漫画みたいなシチュエーションに、私の心臓が弾む。

何故こんなにもそめ先輩に良くしてもらっている理由は屹度私が他人より劣っている事にあると思う。

子供の頃から努力する事が苦手で、嫌な事は全て避けていた。
そんなこんなでダラダラと好きな事をやっていた中学一年生。遂に私は皆とは違う教室に移行された。無駄にプライドは高かったから、私は悔しさと悲しみの渦に飲まれて行った。
皆とは違う教室に移されても、私の怠け癖だけは抜けなかった。
課題一覧が書かれたプリントを見る度に苦しくなり、「メンタルケア」と題して怠ける。
そんな馬鹿に痺れを切らした先生は、感情を露わにして怒った。
怒った、と言うよりかは注意の方なのだろう。しかし私はメンタルが弱すぎたので、大袈裟に受け取った。
自分でも怒るだろうな、と分かっていた。当然だろう。
メンタルがあまりにも弱くて無駄にプライドがある私は、何に涕涙しているのかが分からなくなってきた。自分？怒ってきた先生？どちらもある。
＿自分の感情に揉みくちゃにされていたら、いつの間にか学校に行く意味が無くなってきた。

一週間ぶっ通しで休んでいたので、流石に学校に登校したある日。

「おはよう、Aさん。」

優等生と名高いそめ先輩が、教室に居た。
何故？ここは優等生とは無縁な場所なのに。
そんな疑問の答えは直ぐに出された。どうやら課題に手を付けない私に痺れを切らした先生＿怒った人とは違う人が教育係としてダメ元でそめ先輩に頼んだらそめ先輩は快くオーケーしてくれた、という話らしい。

「これからよろしくね、Aさん。」

＿差し伸べられた手を、取る以外の方法などバカな私に思いつく訳もなく。

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