【gnki】夢見心地 (ページ13)

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頭の中でもう一回計画を振り返る。
人間達と戦っている隙だらけの時に近づき、拳銃でぐちさんを撃ち抜く。
ぐちさんが銀の弾丸で手こずっている間に森を抜け出す。飢えはパンで凌ぐ。
森を少し歩いたら東の方にジェノマス国の門があるので門番に事情を話す。そして保護してもらう。
大丈夫、ここまで築き上げてきた関係は硬い。ぐちさんはああ見えても優しい方だし、最悪命乞い、だ。
大丈夫、だいじょうぶ。

ぐちさんの背中を夢中で追っていると、少し前に小屋が見えてきた。
ここが今日の獲物となる可哀想な人間の家。そして私の身代わりとなる小屋。
この小屋に住んでいる人間があっさり殺られない事を祈るばかりだ。
しかし、人狼が蔓延っている森に近い所で住んでいる人間は大体狩人なので、きっと直ぐには殺られないだろう。そのままぐちさんを倒して欲しいところだが。

「じゃ、今日も援護よろしくな。」

「はーい。頑張ってきてね。」

ぐちさんが小屋に近づく。
ドアを開け、すぐさま死角に隠れる。
隙だらけだ。直ぐにでも弾丸を打ち込みたいが、私の腕ではぐちさんの顬をかするぐらいで終わってしまうので、我慢。
予想通り、この小屋には狩人が住んでいたようだ。銃を構えた男性がドアから出てきた。
刹那、鋭く尖った爪が男性の喉元を掻っ切る…が、狩人もそこまで甘くない。
既の所で避け、すぐさまカウンターで拳をカチ込む。
しかし、身体能力となってくると圧倒的に人外の方が上手。
銃を構えた手に爪を刺し、男性の攻撃手段を無くさせる。
小動物と成り果てた男性は、もう人狼の餌だった。

死体となったのに、反撃された事が悔しかったのかまだ爪を刺している。

物音を出来るだけ出さずにぐちさんの方へ近づく。
人狼は人間より数倍耳がいいので、少しの物音でも反応する。
この人達と過ごしてきて、色々と学ばせてもらった。

ぐちさんと私の距離はかなり近くなった。ここまで近づいたら、私でも当てられる範囲だ。
しっかりと銀の弾丸を込めた拳銃を構える。
深呼吸をする。
＿さぁ、ここで決めたらもうあとは歩くだけだ、頑張れ。

瞼の蓋を取り、しっかりと標的をこの目で＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

いない。