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7話 ページ8

もう間もなく捜査一課に着くというタイミングで
おもむろに青山さんが口を開いた

「捜査一課にはいけ好かねえ奴がいる」

詳しく聞くと、どうやら元同級生で優秀だがそれ故に融通がきかずウマが合わない相手がいるのだとか

「…つまり同族嫌悪ですね」

「…………お前、人の話聞いてたか?」

もちろん聞いてましたよ、なんて軽口をたたきながら
私達は捜査一課の扉の前に立つ

コンコン

「厚労省麻薬取締部捜査企画課のAと申します、失礼します」

私と青山さんは室内へ1歩踏込み一礼する

「は〜い、君がAAちゃんねえ。俺は一課長の服部耀、捜査一課にいらっしゃい」

「はじめま「ええ〜〜!!!めっちゃ美人じゃん!なんでマトリに行っちゃったかなぁ〜!」

私の挨拶は捜査一課に似つかわしくない、黄色い声で遮られた

「うっそ、めっちゃ可愛い。秀さん後輩に欲しかった」

「あなたがAAさんですか。せいぜい足を引っ張らないでくださいね」

(……うるせー)

あまりの勢いに私は、思わず隣にいる青山さんの裾を握りしめる

「お前ら、Aが驚いてるだろ落ち着け。…朝霧は相変わらず見てるだけで疲れる顔してるな」

「それはお互い様でしょう」

朝霧と呼ばれた、夏目さんとはまた違った雰囲気の眼鏡系イケメンが青山さんを一瞥した
今のやり取りから察するに、この人が青山さんの同級生だろう

「ん〜?Aちゃんどしたの〜」

服部さんが薄笑いを浮かべながら私に問う

「いえ、なんと言うか……猛獣の檻に放り込まれた気分でして…」

自己紹介すらまともにさせてもらえないこの人達と、今後協力していけるか一抹の不安を抱く

「あっはは、そいじゃ俺はさしずめ猛獣使いか」

服部さんの言葉を否定も肯定もできず、曖昧に相槌をうつ

「このうるさいの2人が芝秀介と菅野夏樹」

恐らくこの2人もイケメンなのだろうが、今なお続く猛襲に疲弊しそれどころではなかった

「そこでツンツンしてるのが朝霧司で、奥で黙ってるのが荒木田蒼生。蒼生が今回の事件担当ね」

服部さんの視線を追うと、部屋の奥に銀髪のワイルド系イケメンが立っていた
イケメン率の高さにはもう突っ込まない

私は荒木田さんに近づき伺うように見上げる

「はじめまして、荒木田…さん?麻薬取締部捜査企画課のAです。捜査資料お持ちしました、ご説明はこちらでこのまま?」

「…いや、向こうに会議室を取ってある」

私はわかりました、と返事をし荒木田さんの後を追った

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作者名:さのすけ | 作成日時:2022年5月29日 20時

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