3話 ページ4
「あの女はどこだ!!」
ガシャーン!!!
「やっと山吉会の監視が外れたんだ!もう待てねぇ!」
私は階段を駆け下りながら階下へと目を向ける
警備員が対応しているが、明らかに侵入者の方が数が多い
泉さんを匿っているのだから、当然警備は厳重…と思っていたのだけど
私の思い違いだったようだ
ただのチンピラ風情に誤魔化しようもなく劣勢を強いられている
(政府機関だから当然お金かけてると勝手に思ってたけど…ちゃんと調べとくべきだったなぁ)
私は階段の手すりを飛び越え、今まさに無抵抗の職員に殴りかかろうとしている男へ膝蹴りをかます
ゴッ
落下の勢いを利用して、頭部へ強烈な一撃を入れる
そのまま床へ着地し、リーダー格と思われる男へ振り向く
「あなた達が探してるのは私でしょう?」
「てめぇ…っ!お前ら!あの女を捕まえろ!!!」
散り散りになっていた男達が一斉にこちらへ襲いかかる
「はぁ……真昼間の真正面から乗り込んでくる浅慮なチンピラの相手なんて……」
ため息をつきながら、1人目の男の攻撃をかわし
その勢いのままみぞおちへ膝を食い込ませる
「ぐはっ…!」
次の男のナイフを屈んでかわし足払い、突っ込んできた別の男の顎を下から蹴りあげた
足払いで転がった男の頭を思いきり踏みつけナイフを奪う
奪ったナイフを他の男の太ももへと投げ一気に距離を詰め、横っ面に蹴りを入れ隣の男共々張り倒す
数分後にはリーダー格を含め立っているのは数人になっていた
「クソっ!殺さなきゃなんでもいい!兎に角あの女を攫え!!」
言いながら拳銃を構えるリーダー格の男
私は胸ポケットからボールペンを取り出し、拳銃を構えている手に投げつけた
「うがっ!」
思わず拳銃を手放した男へ回し蹴りを喰らわせ床へと沈める
私はゆっくりと拳銃を拾い上げ口を開く
「…まだやる?」
奴らがほんの一瞬たじろいだ隙を見逃さず
警備員達がチンピラを制圧した
駆けつけた警備員へ拳銃を渡し、課へ戻ろうと向き直った瞬間
「…A?」
「Aちゃん…」
青山さん、渡部さんをはじめ捜査企画課が勢揃いしていた
「あー……えっと…、その、御手洗を探してたら…迷ってしまって…?」
自分でも少し無理があるかなぁと思いながら、頬に手を添えコテンと首を傾ける
「もしかして始末書とかいります……?」
「いや……兎に角詳しい話は課で聞く」
少し険しい顔をした関さんに手を引かれ、私達は捜査企画課へと歩みを進めた
13人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:さのすけ | 作成日時:2022年5月29日 20時