あなたを想いながら (ページ19)

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誠也とはじめてあったのは去年のクリスマス

「お姉さんおひとりですか？よかったら俺と飲みません？カシオレですけど」
ナンパに手慣れてそうな彼が持つお酒があまりに可愛くて

「お姉さんのこと楽しませてくれるならええよ？」

「俺せいやっていいます！」

聖なる夜にせいやとかおもんない源氏名とからかったら

「ちゃいますって、手貸して。誠実の誠にやは普通の也」

明らかに女慣れした扱いに不覚にもきゅんとしてしまったのが最後。

「A、愛してる」そういうのは夜が盛り上がったときだけ。抱くだけ抱いてすぐ寝るのは誠也のよくないところ。

わかってた、夢見る少女っていう年齢はとっくにすぎてるし誠也を幸せにできる女の子はごまんといる。

先週ちらっとみえたlineが明らかに女の子の名前で問い詰めちゃったのは勝手に見た私が悪い。

次の日の夜から「ごめん」しか言わなくなった瞬間に私の中で何かが切れた。

「出てって」へ？みたいな顔して脱ぎ散らした服を着はじめた誠也を玄関までおして靴を投げつけた。

「ごめん」また謝られた。

でもさ誠也私が欲しかったのはたぶん楽しかったでもごめんでもなく「愛してる」なんやと思う。

パジャマ姿だけやなくてもっとおしゃれして着飾った私も見てほしかった。

そんなこといったらだるいの一点張りだと思うけどさ。それでもそれでもね、私は誠也のこと愛してたよ、ちょっとだけ