あなたを想いながら (ページ2)

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「Aちゃんプロジェクター準備できたで」

「さすが晶哉。よっ！世界一仕事ができる男」

なんなんその称号とツッコむ前に晶哉～何飲む～とお得意のマイペース節がかえってくる。

「うっわ、オレンジジュースきれてる」
まじで忘れてたわ～といつまでも子ども扱いするのはちAちゃんの悪い癖であり俺の最大の壁である。

「俺コーヒー飲めるで」

噓でしょと言わんばかりに口をあけるAちゃんにおもわず吹き出して「砂糖2個とミルクはいるけどな」と安心させる言葉をあたえると顔をブンブンふって「了解」とほほ笑むAちゃんがどうしようもなく好きだ。

そんな俺も安心させるためとは言いつつコーヒーがおいしいとはまだ思えない。Aちゃんが子ども扱いするのが嫌なのにこの状況に甘えている俺はやっぱり子どもなのかもしれない。

なかなかキッチンから帰ってこないAちゃんが心配になって「Aちゃんは？何飲むん？」と後ろに立てば

「びっくりした、ラブラドールがしゃべりだしたかと思った。」と胸をなでおろす。子ども扱いかと思ったら次は犬かよ、「Aちゃんは俺のことなんだとおもってるん？」

「ん～生んだ記憶はないけど赤ちゃん…いや、犬…？」ふふっと余裕そうに笑うAちゃんにむしょうに腹が立って

「俺かて２０歳やで！お！と！な！」とむきになって返すとそういうとこが可愛いんだよっていいながらプロジェクターの方へ向かっていく。

平常心、平常心と心で唱えながらAちゃんの後ろについていく。

「え、Aちゃん飲むん？」

「そりゃ、華金ですから飲ませていただきます」と有名な某ハイボール缶をどや顔でみせてくる。

晶哉も飲む？という俺が下戸なことを知りながら悪い顔で問いかけてくるAちゃんに今からミュージカルみるんっすよ？ミュージカルにはコーヒーでしょとまだコーヒーが飲めないAちゃんに対抗してどや顔し返した。

砂糖とミルクたっぷりなくせにとふてくされるAちゃんを無視して映画の再生ボタンを押した。