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「……お前さ、俺の家知ってたっけ。」
「しらなーい。」
「じゃあ、何できてんの。」
浦田の問いに、あれそういえば…と思い出す。家を教えてくれたあの人の名前、知らないな。
「名前分かんないけど、赤色の髪の毛の人に教えてもらった。あと、紫の人と黄色の人もいたような……。」
「……あいつらか。」
ふー、と溜め息を吐いた浦田。その様子で仲良いんだろうな、と想像がつく。
「あとでお礼言わなきゃ、」
独り言みたいな感じで小さく呟いたのに、浦田には聞こえていたみたい。
「別に、お礼なんか言わなくていい。……あいつら、いろいろ危ねーし。」
危ない?ってどういう……?と首をかしげてみるけど、浦田は何も教えてくれない。
……よく分かんないけど、まあいっか。
というか、そんなことより私は浦田に言わなくちゃいけないことがある。んん、と咳払いして浦田の深翠の瞳をじっとみつめた。
「うらたってさ、
働きすぎだよね?」
勉強机と思わしき物にチラリと視線を動かした。
「あんなに生徒会の仕事か何かやってたら、そりゃぶったおれるっつーの!!給料貰ってもいいレベルだからアレ。」
きょとんとしている浦田を見ながら、資料が積まれている机を指差す。私、怒ってるんだからね、これでも。
「でも、内申上げときたいし……。」
「な い し ん〜〜〜〜〜!?」
なんだその私の人生に全然関係無さそうな熟語は!?
「そんなの、上がりきってるから!!テストいっつも一番じゃん!?」
熱弁……というか、生徒会長に説教をかます数学四点女。カオス。
四点女の気迫に押されてか、浦田が諦めたかのように手をあげた。
「へいへい、わーかったって。…次からは仕事もうちょい減らす。」
「よし!約束ね。」
やった、任務完了だ!!もうこれで浦田がぶっ倒れることはない…はず。
ガッツポーズをする私に、浦田がふいに聞いてきた。
「………Aさ、その…ゲームのこと覚えてる?」
ゲーム?
「え、ゲームする約束なんてしたっけ。」
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嗄乃 - ホシグモさん» コメントありがとうございます!ぐへ……ぐへへ……(変態)ついにデレ浦田さんを書くときがっっ!! (2018年7月31日 9時) (レス) id: 500f12b7ce (このIDを非表示/違反報告)
ホシグモ - お?お?お?うらたさん…!あなたまさか…!いや〜実に続きが楽しみですね〜(ニヤニヤ) (2018年7月31日 0時) (レス) id: c0bf021662 (このIDを非表示/違反報告)
嗄乃 - エデンの園さん» うわぁああ、そのように言って頂けて嬉しいです!!更新ペース遅くて申し訳ないです…。夢主ちゃんと浦田さんを早くくっつけちゃうためにも、バンバン更新したいです!!いや、します!! (2018年7月30日 20時) (レス) id: 500f12b7ce (このIDを非表示/違反報告)
エデンの園(プロフ) - めっっっちゃ面白いんですけど!!大好きです!!頑張ってくださいね!! (2018年7月30日 6時) (レス) id: 897b34fdb6 (このIDを非表示/違反報告)
嗄乃 - ホシグモさん» いつもコメントありがとうございます!!うーん、恋をしたことがない超鈍感夢主ですからね...。気づくのはまだまだ先になりそうです(笑) (2018年7月10日 22時) (レス) id: 500f12b7ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:嗄乃_さの | 作成日時:2018年6月9日 21時