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号泣後団子 ページ40

『そろそろ行こっか』


「ん…ごめん。ありがとう」


私も六郎も頬と目を真っ赤にして。


もう出ようか〜と。


『さっき!言ったのは、さ』


「え?」


先に出ていこうとした六郎が、私を振り向く。


『本心だから』


「…ん」


六郎の頬が更に赤くなる。


照れてる、ってこと。


いや、私もあれはよく言ったと思う。


恥ずかしいよありゃ。


本心でもさぁ。


『…んふふ、《真っ赤》って笑われるね』


「東海林さんはしつこそうだなぁ」


そう呑気に2人で笑うけど。


…うん、夕子の恐怖。


彼女は執念深いよ。


…2人で覚悟を決め、ドアノブに手をかけ。


ガチャ…


開けた。


「…えっ2人?って、え、目真っ赤…」


ミココの慌てた声。


私はあははと笑って見せた。


『んー、ちょっとね。安心しちゃってさー、あは』


私がそう言うと、夕子も「ふーん」と一言。


…あれれ、意外と?


……その理由はすぐに分かった。


「で、あの、そのお団子!ね!はーやーくー!!」


『あー、えー、何、私たちよりお団子ですか』


「良いでしょ別に」


所長さんが手に持ってたお団子が食べたかっただけですと。


「もー急かさないのー。ほら、お団子食べましょ」


『何のお団子ですかー?』


「自分で見てくださいよ」


所長さんの冷たい答え。


私はチッと舌打ちした。


…のを所長さんが見逃さず。


「舌打ちしないでくださいよー!」


『だって、ケチじゃないですか!ねぇ、六、って!わぁ!』


ちらりと横を見て驚愕する。


こやつ、泣いてる。


まだ泣いてる。


この期に及んで泣いてる。


泣き疲れたろうに泣いてる。


『えっ、えー?六郎?』


「…んふ、ごめん…ふふ」


『壊れた?』


皆はあまり気づいていない様子。


そこに、ある声が響いた。


「久部っ!先週の解剖の写真、まとめとけって言っただろう!いつになったら…「はははははっ!」…?」


『あっもう狂ってる』


系ちゃんが、六郎に文句を言いにやって来た。


そして、系ちゃんの言葉を遮り狂ったように笑う六郎。


皆戸惑い驚き、動揺を隠せない。


「壊れた…」


『私もそれ思った』


「皆、こき使い過ぎなんじゃないの?」


所長さんが私たちを疑うような目で見る。


いや酷くね。


酷いよね。


『違うもんねー、六郎!』


「うん、違う…そんなんじゃなくて…」


六郎が、満面の笑みを浮かべて私たちに向き直った。


「ただいまっ!!」

女性口内赤→←君帰場所私



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設定タグ:アンナチュラル , 久部六郎   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:桜絵笑美 | 作成日時:2018年5月8日 0時

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