春日ト不破 ページ18
芽杏莉side
「春日あ…」
ごろん、と春日の膝に寝転ぶ。
怪しく笑う春日の手が私の頬を撫でた。
「私…センパイにふられそう」
「ははっ、恋愛みたいな言い方すんなよ」
「許せないの」
私の口が怪しく開く。
「無理…あいつになんて渡さないわ。…クベクン」
「ふうん、ナカドウケイに続く次のお依頼?」
「ええ、そう受け取ってもらって構わない」
ナカドウケイの情報は2つ手に入れてる。
コウジヤユキコとの出会いと、それと、……キバヤシナグモとの金のやり取り。
あの日から私はあの3人の男に狙いを定めてる。
「…クベクンの…色々を…」
「はい、50000円?」
ニヤニヤ笑いながら手を出され、私はため息を吐きながら起き上がってバッグを漁った。
50000円の札束くらい持ち歩いてる。
無言で渡すと、「毎度ありぃ」と春日は笑った。
しょっちゅう笑顔を見せるこいつだけど、センパイは最近笑顔を見せない。
「…何か良いネタ無いの?センパイにあげられるネタ」
「おや?追加料金?」
「…20000円」
「交渉成立。宍戸から貰ったやつね」
親友らしい宍戸て男からのネタは使えるのよ。
私は奇跡的にバッグに入れていた20000円を放り投げた。
「…コウジヤユキコは殺されただろ?」
「…らしいわね」
「…その犯人、…昔から将来が明るい女を殺してんだよ」
「!…どうやって」
「アルファベット、だとよ。次の女探してるって。どう、お前なってみたら?」
「……センパイの心に残れるかしら」
嫌な希望の光が心にさした。
春日が浮かべた冷たい笑みは何を指しているのか分からないが。
センパイの心に残れるなら、私は喜んで死んでやる。
私も春日に冷たい笑顔を返した。
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作者名:桜絵笑美 | 作成日時:2018年5月8日 0時