友人電話中 ページ15
『……何なんだ』
〔お疲れさまです♪〕
お茶を出しに行ったら、まあ…喧嘩…的な?
とこでして、…うん、出すのが遅かったな。
癒しを求めて芽杏莉に電話をした。
〔そうなんですね、センパイの彼氏さんのお父さんが久部先生〕
『そう……何か…仲が…ね』
私がどちらとも仲が良くて助かった、と付け足した。
…いや逆に悪かったか。
『苗字で気づくべきだった…』
〔そんな!久部先生とは暫く会ってませんでしたでしょ?全然、そんな!〕
『…優しぃ…』
皆がいる方からはすごい険悪ムードが漂うし。
余計優しく感じるのかもしれない。
ああ、良い後輩を持った。
〔…私も…気づくべきだった…春日に聞いたときに〕
『?どうした?』
〔っ!?え、いえ〕
ボソリと、言葉を聞き取れない程度の声に私が反応すると、芽杏莉は驚いていた。
…何だ?
電話越しに物を倒す音がする。
焦ってるのか、…どうして?
『何て言ったの?』
〔な、にも〕
『怪しいぞー?』
〔……………別にっ〕
珍しく拗ねた様子の芽杏莉に違和感を感じつつも、可愛いから許した。
と、まあ時間も時間なのでついでに今度ランチに行こうとでも言っといた。
ついでに言うなや!
って感じだけど、芽杏莉めっちゃ喜んでくれたからいっかなー、なんて思っちゃう。
すると、後ろから声がした。
「おーいA。久部先生帰るって」
『えっ、もう?』
いつの間にか時間は過ぎていたようで、夕子に「大丈夫?」と言われた。
『まだ心配されなくて大丈夫ですー!』と嫌味風に言って、急いでオフィスから出る。
そこは、…そこは、…。
『…戦場?』
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作者名:桜絵笑美 | 作成日時:2018年5月8日 0時