策士家 ページ9
「…あっ、可愛い〜♪」
「あ〜っ、本当だ〜♪」
『や〜ん、全部欲しくなる〜♪』
…服屋。
正直言って、苦手。
服選びとか苦手なタイプなのよ、私。
今は、眼鏡でぼやけてるのもあるから、適当に選んで適当に言ってる。
警察のせいだ、これは、何もかも！！
…いーや違う。
権田原のせいだ！！
「あ、これ、東海林に似合うんじゃない？」
「えっ？本当？？」
「本当、リアルに…」
『…楽しんでますね』
何だか、２人は楽しんでる。
こっちは疲れてますよ！！
「あ、これ、Aに似合いそう」
『えっどれ？？』
「これ」
眼鏡をはずして見てみた。
『わ、好きな色』
「今度買いに来よう」
『「うん」』
…って、私も楽しんじゃってるよ。
巻き込まれてるよ。
…というか、本題は…。
「…行った？」
「…行った、行った」
『…助かったぁ…』
が、油断は禁物。
まだ試着などをし、(フリ)様子をうかがっていると。
誰かさんから、電話があったらしい。
「捜査二課は、Aが、権田原の女で、４億欲しさに２人を毒殺したって、思ってるみたい。そっちは？」
ん？
そっち？
ミココを見る。
「耳の裏と、手首の発赤。あれが、低温火傷による炎症だとすると、死んだ２人の端末に、異常があったってこと」
『…誰情報？』
「中堂さん」
『なるほ』
さすが系ちゃん。
調べが早い！！
「…つまり、死因は、感電死ってことよね」
『体内に、電流斑を残らないようにすることもできる。…微かな電流なら。』
策士家め！！
『神経の麻痺か…。』
やられた…！！
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作者名：桜絵笑美 | 作成日時：2018年4月17日 23時
