不条理死 ページ47
白井くんは、私の言葉になんて気付かず、いや、無視し、話を続けた。
いつもなら突っ込んでくるミココも、白井くんに夢中で突っ込む気さえありゃしない。
「まだ終わってない!質問に答えて!!あなたが死んで、何になるの!?」
〔…何に…?〕
『白井くん、あんたとYくんをを苦しめた人の名をいつ消えるか分かんない遺書に残して、それが何!?あいつらはきっと、転校して、名前を変えて、新しい人生を生きて行くんだよ!』
自分のせいで人が2人も死んだって、ご遺族が傷ついたって、恨まれたって。
いつかは忘れて、楽しい人生を生きるんだ。
そんなの。
『理不尽だ、とっても、不条理だ。私は、不条理な死は、許さない!!』
ミココが、一瞬私を見て、そのあと、白井くんを見た。
「あなたが命を差し出しても、あなたの痛みは決して彼らに届かない。それでも死ぬの?あなたの人生は、あなたの物だよ!」
『理不尽な、不条理な死に、いじめに、騙されないで!』
そこで動画は終わる。
あとの話は、きっと、私たちと警察しか知らないだろう。
白井くんを確保したら連絡してくれると言った、六郎を信じて、スマホを握った。
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作者名:桜絵笑美 | 作成日時:2018年4月17日 23時