検索窓
今日:20 hit、昨日:9 hit、合計:62,408 hit

警察事情 ページ35

─────────────────
─────────────
─────────


「白井の携帯から、逆探知できないんですか?」


「番号からして、アプリ電話というやつで、基地局を経由しないため分からないんですよ」


「あの、警察のサイバー班なら、ライブ配信してるサーバーのアクセスポイントから調べられませんか?」


「我々は少年課ですから、何とも」


「少年課?通報時には、《殺人》とお伝えしました」


「ネットのいたずらを一々本気にしていたら、警察はパンクですよ」


『…《サイバー班》?《アクセスポイント》?』


「そういうのがあるんです。知らなくても、大丈夫ですよ」


『へ、へぇ?』


話の内容が掴めない私に、六郎は優しく《大丈夫》と言ってくれる。


そんな私は、手にはあの実況動画。


次のヒントを待ちわびていた。


…警察うるさいなぁ。


『血液の一致がないと駄目か』


「難しい時代ですね」


はぁ、とため息を吐いて実況に視線を移した。


こっちもこっちでブツブツうるさいし。


本朗読してる。


これは、えーと確か。


『《ソア橋》か…。』


昔読んでいたらしく、現在も部屋にある。


一度読んでみたが、面白かった。


排水溝を使ったトリック。


包丁を自分に、自分で刺す方法。


『関係あったりして』


「?何か言いました?」


『六郎。ううん。何でも』


再び視線を実況に移した、その時。


〔ヒントの時間です。M先生、背中を見せてあげる〕


『っ!』


ソア橋を読むのをピタリと止め、ヒントを出す準備に入っていた。


皆、実況動画に釘付けになる。


…あれ、小説の正体探しやってる人たちいるじゃん。


後で書き込んどこ。


どーせ関係ないし。


それより、今はヒント!


私たちは、白井くんの行動をじっと見る。


白井くんは、Yくんに近寄った。


『服、切ろうとしてるね』


「あ、ナイフ」


「凶器…?」


どうやら服を切って脱がせるそう。


傷口を見せてくれるのか?


そこで白井くんが使ってるのが、サバイバルナイフ。


血がついてます、はい。


これで殺ったか?


『あ、腹部見える!』


腹部は、皮下出血が酷かった。


とにかく現状を声に出し、六郎に記録を求める。


『皮下出血が3ヶ所。六郎記録してる?』


「はいしてます!」


へっぽこ探偵役に立つ、ってか?


ってか皮下出血多い。


全部で。


『全3ヶ所…。全て紡錘形の刺し傷。』

小説一致→←体育倉庫



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.4/10 (27 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
88人がお気に入り
設定タグ:アンナチュラル , 久部六郎   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:桜絵笑美 | 作成日時:2018年4月17日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。