【名探偵コナン】The truth?2

漆拾伍 ページ30

「お姉ちゃんのことなんだけど」
「ん？」

ドッグカフェでのお茶会から数日
クッキーを作りすぎたという事で哀からお誘いがあり、現在二人で消費中
そんなときの、ふとした言葉
哀がお姉ちゃんと呼ぶのは、本当の姉で死んでしまった明美の事か姉のように慕っているAのことか
今回は後者だろう

「Aさんがどうかしたか？」
「……怖いのよ」
「怖い？」
「いつかいなくなってしまいそうで」

それは、なんとなく感じた事があった
ふとした瞬間の笑っている顔が、いつか消えてしまいそうなほど儚いときがある
そのたびに、彼女の手をつかんで、ああここにいるのだと安心する

「私たちの少しでも困った事があれば、助けてほしいと少しでも手を伸ばせばすぐに手を取って一緒に走って、最終的にはその背を押してくれる
でも逆にお姉ちゃんは頼らない。あんな簡単に私たちから伸ばされた手は取るのにこちらから差しだした手を取らない。それどころか巻き込まないようにと一人で行ってしまう」
「ああ……」

彼女の本来の年齢は25だ
自分達のことは年の離れた弟・妹とか、下手をしたら息子・娘に思っているだろう
彼女にとって自分達は守る対象なのかもしれない
それでも、頼ってほしいと思う

「なんとかしたいわね……」
「そうだな……」

昴さんなら、なんとかしてくれるかもしれない
頼んでみようか、と思いながらコーヒーをすする

「そういえばあの沖矢昴って人」
「うん？」
「ロリコンじゃないわよね？！」

流石に吹いた

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