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影が三十二 ページ33









士道くんに前こんなことを聞かれた








その日はたまたま練習終わりに士道くんに捕まってしまい,強制的に自主練に付き合わされていた時だった
珍しく僕と士道くんだけが残ったサッカー場で僕達はボールを挟んで向き合っていた
どちらか片方が動けばもう片方も動く
どちらも目線を逸らさないそんな最中,士道くんが最初に動き出した
僕はそれに反応して,ボールを左足へとずらす



案の定僕の右足へと突っ込んできた彼の足
それを避けて,右に傾いてるその隙に彼の横を通り過ぎるだがその前に体制を直した士道くんの手が僕の体の前にまわってきて,僕の動きを止め,もう一度ボールを取ろうと足がつっこんでくる



その前にボールを空中へと蹴り上げた
士道くんの視界がボールに集中している間に腕から抜け出す
そして未だ空中にあるそれをジャンプして足で捕らえる
そしてそれをもう一度弾ませれば、もう終わり



弾んだボールに視界の端で彼の足が飛び込んでくるのが見えたが彼の足がボールに触れるその前に僕はボールを蹴った



弧を描いてとんでいくボール
それは綺麗にすっぽりとゴールキーパーのいないゴールへと入っていった








「…あ〜,抜かれた」



『…どうも』








それを見た士道くんは項垂れたようにその場に腰を下ろした
それを僕は見下ろす








「黒古ちゃんの爆発(・・)は見てて飽きないね」







そんな僕を見上げる士道くんはそんなことを口走る
爆発とはなんだろうか
その時の僕は士道くんの言っていることがわからず,ただ首を傾げた
それを見てか,士道くんはまるで僕の表情が愉快というように笑みを浮かべる







「なぁ,黒古ちゃん。黒古ちゃんにとってサッカーとはなんだ?」







急な質問だった
脈絡のないその問いかけに僕は少し考え込んだあと,思ったことをそのまま告げる







『……きっかけです。今の僕であるための,冴と僕の関係を築いているきっかけです』








僕がここにいるのは冴が僕を見つけたから
サッカーの才能が僕にあったから
サッカーという存在がなければ,冴と出会うことすらなかったと思うほどに僕にとってサッカーの存在は大きい
だけどそれを思い返す度に安心し,その上悲しくなることも度々あった


サッカーというもので今の関係を築いている
冴にとって僕はサッカーの才能がなければ用済みなのかもしれない
そうネガティブなことを考えてしまうのだ







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胡春(プロフ) - ありがとうございます?笑 (2023年1月2日 15時) (レス) id: 289535ebf9 (このIDを非表示/違反報告)
あノ - 神ですかね・・・ (2023年1月1日 22時) (レス) @page7 id: ff248e80c5 (このIDを非表示/違反報告)
胡春(プロフ) - ありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです!これからも頑張りたいと思います! (2022年8月10日 20時) (レス) id: 289535ebf9 (このIDを非表示/違反報告)
神崎 - 初コメ失礼します。すごく面白いです!応援しています!頑張ってください!! (2022年8月10日 17時) (レス) @page26 id: 62e83b8f5d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:胡春 | 作成日時:2022年3月19日 14時

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