検索窓
今日:38 hit、昨日:56 hit、合計:190,874 hit

影が二十六 ページ27









「…冴くんって黒古くんに甘いよね」



「ん?…あぁ、たしかにな」








今の冴が黒古の頭を撫でるという一部始終を見ていた波留はふとそう呟いた
丁度近くにいた愛空はそれを聞き取ると,同じくそちらへと目を向ける






このチームで誰にも心を開いてない冴が唯一心を開いているであろう存在である黒古の頭をまるで,優しいものを見る目を向けながらその頭を撫でている
決して微笑んでるわけではない
だけど自分たちに向ける視線と黒古へと向ける視線は紙一重だった










「黒古くんも黒古くんで冴くんに甘いけど,なんか意外だな」



「そうか?ここに来た当初からあんな感じだったじゃねーか」



「まぁそうなんだけど、テレビや雑誌でみた彼とはなんか違うなって」










そう言って波留が思い出すのは過去の冴へのインタビュー番組や雑誌諸々
インタビューと言っても彼がちゃんと面向かって答えたことはあまりないのだが,彼の性格などは何回か見てきた中でなんとなくわかる













何か一つに対し,執着(・・)を見せるような人には見えなかった











それが波留のこの短期間で思ったことだった












「冴くんって雑誌とかでよくインタビューされてたから好きなものとか,軽い個人情報なら受け答えしてたじゃん?」



「…確かに,あんまし記事とか好きそうではないよな。俺もそれぐらいなら見たことあるよ」



「でもさ,友人関係とかは全然口外したことないんだよね。誰とライバルとか,誰と親しいとか。……見た目や雰囲気からの勝手な偏見だったけど,あまり人といるのは嫌いなんだと思ってた」









だけどそれは彼が ゛黒古天也 ゛という少年を連れてやってきたことから崩れた








「黒古は天才くんに誘われてサッカーやり始めたらしいからてっきりそういうのもあって黒古には懐いてんだと思ってた」



「あれ、そうなの?」



「あぁ。お前ら知らなかったんだっけ?俺は黒古と話してる内にその部分も聞いた」








確かに,練習期間
誰よりも彼らと交流しに行っていたのは愛空だ
冴に関しては面倒くさそうな顔をしてスルーしたり,軽く流すことが度々あったが,黒古は毎回受け答えはちゃんとしていた


だから,黒古は心なしか愛空には表情を軽くしている気がする
たが、過去まで話すほどの仲になっていたとは思っていなかった








影が二十七→←影が二十五



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (282 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
857人がお気に入り
設定タグ:糸師冴 , 男主 , ブルーロック
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

胡春(プロフ) - ありがとうございます?笑 (2023年1月2日 15時) (レス) id: 289535ebf9 (このIDを非表示/違反報告)
あノ - 神ですかね・・・ (2023年1月1日 22時) (レス) @page7 id: ff248e80c5 (このIDを非表示/違反報告)
胡春(プロフ) - ありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです!これからも頑張りたいと思います! (2022年8月10日 20時) (レス) id: 289535ebf9 (このIDを非表示/違反報告)
神崎 - 初コメ失礼します。すごく面白いです!応援しています!頑張ってください!! (2022年8月10日 17時) (レス) @page26 id: 62e83b8f5d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:胡春 | 作成日時:2022年3月19日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。