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影が十九 ページ20










「黒古ちゃーん。俺にもいっぱいボールちょーだいね」



『…近いんですけど。肩組むのやめてください』



「そんな冷たいこと言うなよ。俺先輩なんだけど?」









ミーティングが終わって、後半戦数分前
ロッカールームから出て、サッカー場へと戻ってきた僕達だが、僕は右隣で僕の肩に腕を回す彼に困っていた








なぜだろうか
彼が冴とともにここにやってきてから彼は僕に懐いている
練習を一緒にやってきたからわかるのだが、彼は名前の通りドラゴンのように暴れ回る問題児だ
予想もできない動きに練習中困惑したのは何回もあったし、気分でどこかに消えたことが少々あった





そんな気分屋の彼がどうして僕に懐いてるのだろう










「俺の影にもなってくれるんだろー?」



『君が望めばですけどね。まぁ最低限は功績をあげてくれなきゃ困りますけど』



「手厳しいね。でもそれぐらいやんなきゃお前を影にはできない(・・・・)ってことだろ」



『…何事にも欠点があるのが当たり前ですから』










そう。僕の唯一の武器にも弱点というものがあるのだ
それを知らないであろう゛青い監獄(彼ら) ゛はそんな僕に対してどんな対策を取ってくるんだろう





隣りに居た彼は笑う
面白いおもちゃを見つけたかのように








「期待してるぜー、黒古ちゃーん」



『…ちゃんはやめてくださいね』



「あは,やぁーだね」



















『冴』



「…天也」








士道くんから解放された僕はただ一人ぽつんと輪の外に立つ彼に近づく
名前を呼べば彼も僕の名を呼びながら振り返った
その表情はさっきと変わらず淡々と真顔をキープしている








『冴ももうちょい表情筋動かしましょうよ』



「それお前に言われたくねぇわ」



『僕だって人間ですからちゃんと動きますよ』



「いや、それは当たり前だわ」









その表情を見て僕がそういえば少し顔を顰めながら冴はそう言った



失敬な
僕だって笑う時は笑ってるはずです
ついさっきだって何回か頬が緩んだ気がするし、笑いましたよ



その意図が伝わったのかよくわからないが冴はこちらをふと見ると、じーっとみつめる








『…なんですか?』



「…いや,ここ来てからお前よく表情が変わるなって思って」



『そうですか?自分ではわかんないです』









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胡春(プロフ) - ありがとうございます?笑 (2023年1月2日 15時) (レス) id: 289535ebf9 (このIDを非表示/違反報告)
あノ - 神ですかね・・・ (2023年1月1日 22時) (レス) @page7 id: ff248e80c5 (このIDを非表示/違反報告)
胡春(プロフ) - ありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです!これからも頑張りたいと思います! (2022年8月10日 20時) (レス) id: 289535ebf9 (このIDを非表示/違反報告)
神崎 - 初コメ失礼します。すごく面白いです!応援しています!頑張ってください!! (2022年8月10日 17時) (レス) @page26 id: 62e83b8f5d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:胡春 | 作成日時:2022年3月19日 14時

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