影が十七 ページ18
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「さて原石共よ。後半戦が始まる前に一つ聞こう。この試合で一番の ゙
前半戦終了後,青い監獄のロッカールームへと集まった選手たちに絵心は質問を投げかけた
その質問に最初に答えたのは,微かに殺気を放った凛だった
「…黒古天也」
凛の言葉から出た名前に誰もが脳裏で試合中の黒古を思い浮かべる
ボールが彼に触れるまで予想も出来ないポジショニング
世界にも確実に通じるであろうパス技術
彼もまた糸師冴同等の化け物だった
「あんな選手データになかったし,あのタヌキが少し小細工したんだろ。オレたちの驚き顔でも見たかったんでしょうよ」
絵心の脳裏に浮かぶのは気持ち悪いニヤケ顔でこちらを見る不乱蔦
「こんな軽い挑発のる必要がないのはお前らもわかってるだろ?だが,まぁそれに対応しなくちゃいけないのは変わりない。お前ら,あいつの一番の武器はなんだと思う?」
「…パス技術とか?」
「ポジショニングも上手かったけどな」
「…いや,」
千切や乙夜が答える
どれもたしかに上手かったと周りが納得するが,潔と凛はどこかしっくり来なかった
たしかにパス技術は上手い。それも武器とも言える
だが,一番がそうかと言われれば首を縦には振れずにいた
武器とは,他とは比べることが出来ず,自分だけが持つ最大の力のこと
その彼の武器は彼しか持ち合わせていない才能
パス技術は誰だって磨けば,輝く
だから彼の武器は他にある
「…!」
彼の武器について思案する潔はふと思い出した
彼を,黒古をボールが彼以外にわたっていた時彼の姿を見ていないと
隠密行動が上手い選手だと途中は思っていた
けれど,隠密行動にしては少し堂々としていた
俺らの間を普通にすり抜けたし,隠密行動をするなら俺らの死角をとるはず
「…存在感か…」
「潔?」
ぽつりとこぼした潔の言葉に近くにいた蜂楽が反応する
「あいつの武器はパス技術とかそんな誰もが磨けるものじゃない。あいつの武器は ゙存在感 ゙という天性の才能だ」
「…存在感って…もしかしてあいつの影の薄さのこと言ってる?」
「…薄い…,あ」
他もわかったように声をあげた
「…そう,黒古天也の最大の武器は ゙影の薄さ ゙。誰も真似することができない。唯一無二の武器だ」
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胡春(プロフ) - ありがとうございます?笑 (2023年1月2日 15時) (レス) id: 289535ebf9 (このIDを非表示/違反報告)
あノ - 神ですかね・・・ (2023年1月1日 22時) (レス) @page7 id: ff248e80c5 (このIDを非表示/違反報告)
胡春(プロフ) - ありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです!これからも頑張りたいと思います! (2022年8月10日 20時) (レス) id: 289535ebf9 (このIDを非表示/違反報告)
神崎 - 初コメ失礼します。すごく面白いです!応援しています!頑張ってください!! (2022年8月10日 17時) (レス) @page26 id: 62e83b8f5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:胡春 | 作成日時:2022年3月19日 14時