サイケデリック・アップルパイ　　

Bad　morning ページ1

優しく静かに微笑む女性。

ベッドに横たわる細く白い手。

赤く燃え上がる炎。

そして風に一本の木が揺れ、老婆の泣き叫ぶ声が聞こえてくる―――

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林檎は悪夢から目をさまし、荒く乱れた呼吸を整えた。
真紅の髪をかき上げてみると、べったりとした汗の感触が感じられ、梅雨時特有のまとわりつくような湿気と蒸し暑さを不快に思った。

軽くシャワーを浴び、身支度を整えて新聞に目を通した後、カバンをつかんで外に出る。
ふと林檎が時計に目をやると、時刻は八時を回っていた。


家の前に立っている白い建物は、林檎が通っている製菓学校だ。
恐ろしく正式名称が長いことで有名なこの学校だったが、林檎は学校が家の目の前にあることも、自分がこの学校に通っているという事実も、あまり良く思っていなかった。

「ああー、暑い…」
そんなことをぶつくさと一人でつぶやきながら、林檎は今日が生徒集会であることを思い出した。
保健委員長である林檎は、今年度の活動内容・活動目標とやらを全校生徒の前で言わなくはいけない。それに学校側は、この学校に入学を希望する高校生まで集会に招待するというのだから、大した気合の入り方だ。大人という生き物は、何でこう次から次へと面倒な事を思いつくのだろう。

生徒会はアホ揃い→

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