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・君の笑顔 Harry Potter ページ8

スネイプの記憶が、僕に全てを教えてくれた。

僕は、死ななきゃいけないんだ。

ヴォルデモートを倒すには、それしかない。

禁じられた森が、僕の最期の場所になる。


震える手を抑えて、死への道をゆっくりと歩く。

この心臓も、あと数回で止まってしまうんだ。



『ハリー』

「…A」

あぁ、そうか。

君のその甘い声も、もう聞けないかもしれない。


『どこ行くの?』

「禁じられた森」なんて言ったら、君は絶対止めるよね。

でも、この戦いを終わらせるには行かなきゃいけない。

君に、嘘ついてでも。


「ちょっと、やらなきゃいけないことがあるんだ」

『なら、私も手伝――――』

「Aは、ネビルを手伝って。蛇のナギニが、最期の分霊箱なんだ」

『…そう?わかった』


これでいいんだ。これで。

溢れそうになる涙を、必死にこらえて。


『ハリー、絶対、禁じられた森には行っちゃだめだよ』

「うん」

『無事で帰ってきて。私、待ってるから』

「…うん。じゃあ、僕行くね」


これが、君との最後の会話かもしれないのに。

「大好き」って言いたいけど、言ったら、ますます恋しくなるから。



涙が、こらえきれなくて溢れる。

背を向けてるから、君には見えないだろうけど。


思い出せば、君はいつでも、僕の前では笑顔でいてくれた。

「いつも笑顔だね」

『えっ?あぁ』

僕のその言葉に、君は頰を赤らめて笑う。

『前に、ハリーが落ち込んでる私を慰めてくれた時…

ハリーが、「僕はAの笑顔が好きだ」って言ってくれたでしょ?』

「覚えててくれたの…?随分前のことなのに」

『忘れるわけないよ。私、それでね、何があっても笑顔でいようって思ったの』


そう、君はいつも、眩しい笑顔で、僕を元気にしてくれる。



そんな笑顔も、もう見れないなんて。

止まらない涙を、必死に拭う。



僕がいても、僕がいなくなっても、

君はずっと、その笑顔のままでいて…?





A、大好きだよ。








また、死への道を歩き出した。

・手紙 Fred Weasley→←・無邪気な悪戯 Fred Weasley



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スピカブラック - イレイさん» まだですか? (2020年10月20日 2時) (レス) id: b5e377f0b8 (このIDを非表示/違反報告)
スピカブラック - リクでセブで甘で書いて下さい (2020年9月24日 3時) (レス) id: b5e377f0b8 (このIDを非表示/違反報告)
愛菜(プロフ) - いつも読ませてもらってます!よければジョージと夢主ちゃんがホグワーツでラブラブする話をお願いします! (2020年3月21日 11時) (レス) id: e2056a58cc (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅(プロフ) - 出来ればで大丈夫です。頑張ってください(*’ω’*) (2018年7月23日 21時) (レス) id: b6f3460812 (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅(プロフ) - リクエストokなら、フレッドをお願いします。シチュエーションokなら、ケンカップルやったけど、結婚を約束していた2人。でも、最期の戦いで夢主ちゃんが、フレッドを庇って死んじゃうのでお願いします。因みに夢主ちゃんは、手紙を書き残したので、お願いします。 (2018年7月23日 21時) (レス) id: b6f3460812 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イレイ | 作成日時:2015年8月11日 10時

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