二章個性:『刀剣』 (ページ9)

今日:4 hit、昨日:10 hit、合計:38,479 hit

8話ページ9

(山姥切視点)

隊長である俺の失態。怒りに任せたせいであいつを危険な目に合わせてしまった。

"仲間を切り捨てるのは、仲間のすることじゃない"

主の言った言葉を今更思い出しても意味がない

本丸に戻り、主にあいつの手当てを任せ
俺は、一人部屋に戻った

今後、どうなるかはわからない

ただ、何故あんなの事をしてしまったのか
そんな後悔だけが募って仕方なかった

すると、襖の前に人影が現れた
主だろう。そう思い、襖に手を伸ばそうとした時

『山姥切、居るか』

「!」

紛れもない、この声は、あいつ
鬼神丸の声だ

俺は、襖を乱暴に開けた
すると、そこには傷が完全になった状態の鬼神丸がいた

「お前…

何をしに来た」

違う

「俺に何の用だ。あの時の事でも話に来たのか」

違う

「さっきも言ったように出来損ないのお前が部隊に居るのは、迷惑だ」

違う

「俺は、あの時の事を反省するつもりはない」

違う
俺は、どうしようもないひねくれ者だ

自分でも痛いほどわかっている

「もう、用は済んだろ

さっさと、消えろ」

『…すまなかった』

「……は？」

なんだ？謝った？

『私が勝手な事をしたのも、弱いのも、出来損ないなのも全て私が悪い事だ

あんたが気に病むことじゃないと言いに来た

だが、あんたは思っていた以上にひねくれているんだな』

「喧嘩を売っているのか」

『そんなつもりはない、

ただ謝りに来たんだ。それと主から言付けを預かった。

"もう、仲間を見捨てるな"それだけだ。
それから、』

「まだあるのか」

『私を鍛えて欲しい』

「……」

『あんたがこの本丸の一番最初の刀なんだろ

なら、頼む。』

頭を下げてくる。鬼神丸
こいつは……

「……断ると言ったら」

『強行手段に出るまでだ』

「力任せか」←

『いや、主に教えてもらった

"はにーとらっぷ"？と言うやつらしい』

「そうか、今すぐ主を呼んでこい」←

『なんだ、用事か？

言付けなら預かれるが』

「今晩、後ろに注意しろと伝えておけ」

『わかった

で、私を鍛えて欲しい』

これは、何度断ってもめんどくさそうだな……

「……わかった。明日から稽古を着けてやる」

『ありがとう、山姥切

じゃあ、よろしく』

それから、あいつの稽古を見ていった
取り敢えず、実践形式から始めた

一つ一つの無駄な動きを無くすように…

そこから、あいつは見違えるほどに強くなった