二章個性:『刀剣』 (ページ8)

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7話ページ8

(山姥切視点)

翌日俺達は、学校をサボった

主も今回だけは、特別だと言ってくれた

いつも騒がしい本丸も今日は、一段と静かだ

あいつが居ないだけでこんなにも静かになるなんてな…

それほど、あいつの存在が大きかったんだろう

鬼神丸国重。
元々は、池田鬼神丸国重として顕現するはずだった

それが、政府の故障のせいで鬼神丸国重と名乗る女が現れた

『鬼神丸国重。一さんの愛刀、それ以外何もない』

最初の印象は、最悪だった

俺が言えたことでは、ないが
あいつは、兎に角無表情。感情がない。心がない。言われたことにしか従わない。

いわば、人形の様な奴だった

俺は、あまり関わらないようにした
どうせ、写しの俺が話しかけても意味などないだろうと思ったからだ

一緒の部隊になってからも会話等、必要最低限の事しか話していない

それにあいつは、装甲が脆く直ぐに中傷や重傷になる

その為に何度か帰還したが、毎度毎度これじゃあ意味がないと思った俺は、主にあいつを部隊から外すように頼んだ

が、主は頑なにそれを拒んだ

主「弱いからと言って切り捨てるのは、仲間のすることじゃない」

「だが、これでは、先に進めない

俺達の部隊じゃなくても良いはずだ」

主「いいや、この部隊じゃないとあいつは強くなれない

この話は、終わりだ」

なにが"強くなれない"だ最初は、思った。
それから、あいつの戦い方が変わった

自分を守るようになったが、
やはり弱い

ボロボロになる姿に他の奴等は、心配をする
勿論、同じ新撰組だった加州は、人一倍心配をしていた

俺は、つい怒りに任せあいつに酷いことを言った

「お前みたいな、出来損ないが部隊に来たせいで、前に進めないのがわからないのか!!」

加「ちょっと、山姥切!!いくらなんでもそんな言い方…!!」

「加州、黙っていろ

ここから先、お前は、着いてくるな」

そう言って、あいつを置き去りにした
あいつは、反論もせずただ立っていた

しかし、それが仇となった

どんなに先に進んでも敵が現れなくなった
周りの淀んだ空気は、変わらない

だが、襲ってくる気配すらない

嫌な予感がする

俺達は、走ってあいつを元に戻った
その予感は、的中していた

あいつの周りには、沢山の時間遡行軍がいた

今にも折れそうなあいつは、必死に戦っていた

加「鬼神丸!!」

加州が飛び出していく、それに続くように行く歌仙、蜂須賀、陸奥守

俺は、ただ眺めることしか出来なかった