二章個性:『刀剣』 (ページ39)

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38話ページ39

山「……ここは、確か

第2部隊の場所だな」

膝丸「そのはずだか…

これは……」

私達が着いたときには、誰もいなかった

いや、"いなくなっていた"

辺りには、傷もなにもない

『本当にここで闘っていたのか』

そう、疑問すら浮かんでしまう

あまりにも、闘っていたという様子が全くないなんて

その場にいた全員が思ってしまった

"壊された"か"連れ去られた"

この2つしか頭に浮かばなかった

博多「……皆、どこいったばい」

小夜「……にいさま達」

2つの小さな声にハッとする

いくら、刀と言っても兄弟達が見つからなければ不安になる

歌仙「お小夜…」

長谷部「博多……」

？「……ﾊｯ……ﾊーｯ……」

『！おい、あそこにいるのは…』

博多「鳴狐の狐たい！」

狐を見つけて走り出す博多

狐は、物陰に隠れていたが、様子が……

足音が聞こえ、うっすらと目を開けた狐は、驚いたように大きな声を出した

狐「ｯ……！き、来てはなりません！！

早く、お逃げください!!!!!!」

その声と同時に現れたのは、大太刀の時間遡行軍が一体

長谷部「博多!!!!」

長谷部の声が響く

博多「……え…」

博多もそいつを見て止まってしまった

私達も突然の事で動けなかった

誰もが動けなくなった

そいつが刀を振り下ろすのをゆっくり見ているような気分だった

博多「……い、いち……にい……」

誰もが思った

博多は、ここで"壊れ"てしまう

だが

時間遡行軍「！」

その刀が博多に届く前に倒れていった

その後ろには

博多「ｯ、ｧｱ…」

一期「……私の弟に……、手出しは、させません」

ボロボロの姿の一期が立っていた

が、直ぐに膝から崩れ落ちてしまった

博多「いちにい！！」

博多が一期に駆け寄った

私達も一期に駆け寄った

博多「いちにい！いちにい！」

泣きながら一期の肩を揺らす博多

『博多、大丈夫だ

息は、浅いが生きている』

安心させるように博多の頭を撫でる

博多は、大粒の涙を流しながら泣いている

山「一期一振、喋れるか？

何があった」

狐「それは…、私がお話いたします」

ヨロヨロとこちらに歩いて来たのは、お供の狐だった

狐「我々の所に現れたのは、時間遡行軍ではなく検非違使だったのです……」

山「まさか……」

狐「薬研殿達は、我々を逃がすために闘ってくださいました……

しかし、相手は、強すぎてしまい
彼らは、重傷

一期殿は、最後の力を振り絞って我々の為に闘ってくださいましたが何匹か逃してしまい……」