二章個性:『刀剣』 (ページ30)

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29話ページ30

だが、相手のたった一振りで後ろに飛ばされてしまった

短刀達は、重傷。私達も後少しで折れる所までいた
他の刀は、中傷と重傷が多い

これは……、厄介だ

そんな中

三日月「ほう、これはまた珍しい敵だな」

１人遅れてやって来た三日月
そう言えば、篭手切江達が三日月の事を探していたな

……まさか

篭「み、三日月さん！何処に居たのですか！？」

三日月「うむ、お前達が行った後にまた敵を見つけてなぁ

それより……」

背筋が凍り付いたような感覚があった
三日月の雰囲気がガラリとかわった

あれは、怒りだ

三日月「俺の大事な仲間を傷付けた事

許さぬぞ」

刀を構える三日月
そして、相手の敵も同じように構え

動き出した

息を吸う暇もなく
その光景を目に焼き付ける

敵と三日月の動きは、ほぼ同じ……

いや、三日月の方が上だ

三日月「ﾌﾝｯ!!」

三日月の一太刀が敵の首を跳ねる
敵は、消え去り

曇天の空が晴れていく

三日月「はっはっはっ、俺の勝ちだな」

流石、天下五剣……と言わざるしかない

たった、一太刀であれほどの力を持った敵を倒すなんて……

主「お前達ー！！大丈夫じゃねぇよなー！！！

今、手入れをー！！！」

泣き叫びながら、走ってくる主

懐かしい……

ふらっとする身体をなんとか刀で支える
すると、山姥切が支えてくれた

山「大丈夫か」

『あぁ』

山「……」

『？なんだ、何かあるのか』

そう言うと、山姥切は少し顔を赤らめてから布を深く被り直し

山「……よく、戻ってきてくれた

お前が居ないと、その……

張り合いがなくて、つまらない日々だった。

もう……、何処にも行かないでくれ」

『……そうか

あぁ、あんたにそこまで言われたらどうしようもないな……

側に居てやるよ、山姥切』

山「な!? そ、そんなつもりで言ったわけでは……」

ごにょごにょと次第に小さくなる声
なんだ？

加「鬼神丸!!」

『加州…』

加州は、私に抱き付き泣いていた

加「心配した。すっごく悲しかった!!

もう、勝手に俺の前から居なくならないで……」

『……すまなかった、加州』

私は、加州の背中を軽く叩いた

陸「おんしゃー、よく、戻ってきてくれたぜよ!!」

『あぁ、陸奥守も心配かけたな』

蜂「本当に、よかった」

『ありがとう、蜂須賀』

歌「君は、いつも無茶をする!!その癖を早く直したまえ!!」

『それが、出来たらいいんだけどな』

久し振りの会話
皆、元気そうだ

主「……あっ！お前ら、まだ言ってないよな!?」