元祓い屋の現怪異。参

箸休め_1 花子 ページ5

花子side

いつものようにもっけと花札をしてた


そしたらいつものようにAがやってきた


でも話す内容はいつものような穏やかな物じゃなかった


『あのー…七番様…』


花子「…なに、改まって……嫌な予感しかしないんだけど…」


花札を地面に置く


もっけが逃げるのかと下で騒いでいる


『あのですね…壁ドンというものをやってほしいなぁ……とか……思ったり…』


花子「………………は？」


『はっては？』


なんで逆ギレしてんの怖い


花子「え、急だけど、どうしたの？」


『わたしさ、胸きゅんとかよくわかんないの。ずっと前から知りたいなって思ってて、好きだなーとか思うことはあるけど、胸きゅんって…なんでしょうか？』


花子「知らないよ」


あまりしたいことでもないので無愛想に対応すると、逆にAは嬉しそうに手を叩いた


『だったら丁度いいね！あまねも新しい世界を見れるよ！』


花子「なになになに？！ほんとにこわいんだけど！」


Aは俺の肩を押して壁側までつめよらせる


ん？まって、この状況って…


『でね、生徒の子がやっぱこれが胸きゅんだよね！って言って読んでた漫画を後ろからのぞいたんだけどそこにはまあ、世にいう壁ドンをしてる方がおりましてですね』


俺の背中が壁に触れた


Aが俺の顔を覗き込む


違う、俺が想像してたのとだいぶちがう


『じゃあやったらわたしの長年の疑問も解けるか！ってなったの！あまね！覚悟！』


Aの腕が伸びる


花子「まってまってまってまって！！！」


『ん？』


花子「俺がされる側なの？！？！」


『…うん』


花子「なんで！！普通男がするもんでしょ？！」


『でもわたしが見たのは男の人が壁ドンされてたよ』


1つどうでもいい仮定が成り立つ


花子「…………ちなみにしてる方は…」


『男の人』


あ、そっちの趣味の人の漫画読んでたんだ………


じゃなくて！！


花子「普通は男の人が女の人にやるの！」


『じゃあわたしが見たやつは？』


花子「それは例外」


てかなんで俺Aに壁ドン教えてんの？


『じゃあやってやってー！』


花子「まじでゆってる？」


『うん！』


Aはそういうと壁にもたれた


花子「…はあ、」


キラキラと目を輝かせるAの前に立つ


覚悟を決めて、そっと壁に肘をつけた


……………近い


恥ずかしくて顔を見れない


花子「A…？」


『や、あの……こっち見ないで……』


Aを見ると柄にもなく真っ赤になっていた


……ちょっと、面白いかも

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