元祓い屋の現怪異。参

箸休め__1 ページ11

＜生前の小話＞
あまねside


今日はAが学校に来なかった


家の用事って言ってたけど…ほんとは体育教師が原因なんじゃ…


不安で、やる気もでないからその日は早退した


はあ、とため息をして帰途につく


いつもと違う道で帰ろうと思って、少し寄り道した


すると、1つ賑やかな雰囲気の神社があった


〘化野神社〙


懐かしい響きだった。
ちっさい子がよくバケモノ神社って言って遊んでたっけ……


小さく寂れてるけど、近所ではなかなかいい雰囲気を出していると噂だった


……ちょっと寄ろう。暇だし


なんなら、明日Aが学校に来るようにお願いするのもいいかもしれない


崩れそうな石段を足がつるほど登ると、やっと鳥居が見えてきた


どうやら本堂で結婚式が行われてるらしい


こんな名前の神社でよく結婚式を開こうと思ったものだ…


手を洗おうと馴染みの水場に近寄る


すると、聞きなれた声がふと耳に入ってきた


『結婚式って設定意味ある？おじいちゃんならぱぱーんってやってぱぱぱぱーんってやったらすぐ祓えちゃうでしょ？』


あまね「A…？！」


？「ばかもの。あの怪異は幸せな雰囲気がでないと出てこんのだぞ。そんなこともわからんのか」


『ふーん。絶対に？』


やっぱり…袴姿のAだ


？「…まあ、絶対とは言いきれんが」


その横にはおじいちゃんらしき人。結構歳いってそうなのにめちゃくちゃ元気に喋る


『わたしもなんか祓いたいなー』


？「安易に考えるな！お主は鳥居を磨いとれ！」


『はぁーい』


やばい、来る…


どこにも行けずにもぞもぞしてたら、結局Aに会った


『あまね？！なんでここにいんの？！』


袴姿に、いつもと違う髪型。さりげなく付けられたかんざし。一つ一つに目が離せなかった


あまね「Aこそ…なんで…」


『いや！わたしここに住んでるから！』


あまね「……は？！」


『言ったじゃん。人の話聞いてないの？』


あまね「絶対言ってない！」


そんな俺の反応をくすくすと笑いながらAは見てた。確信犯じゃん。


『わたし、ここの神主の孫なの。これでも祓い屋で、ここの後継者なんだよ』


あまね「…しらなかった」


『ゆってないもん』


あまね「やっぱ言ってなかったんじゃん！！」


『ごめんてw今日は結婚式の雰囲気で怪異を呼び寄せて祓うっていう源家との合同演習なんだよ。だから学校休んじゃった』


あまね「…あっそ」


なんのもなかったのに安心したのは別の話

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