元祓い屋の現怪異。

＠３８ 後半つかさ ページ40

土籠｢話すのは、お前の体力が戻った直後がいいと思ってな｣


『うん、なに？』


土籠｢その、化野神社…なんだが｣


嫌な予感がする


聞きたくない


土籠｢だいぶ前に、後継者不足でつぶれた｣


『…やっぱりそうだったんだ…まぁ、そうだよね』


土籠｢黙ってて悪かった…｣


『いいよ、言い出しにくかったよね』


あんなにちっさい神社だったから…


すぐつぶれるよ


『ねえ土籠…』


土籠｢なんだ？｣


『おじいちゃん、元気…？』


お母さんが死んでからも、


頑張って1人でわたしを育ててくれたおじいちゃん


わたしに祓い屋の全てを教えてくれた人


土籠は、目を見開いて、


しばらくして力なく首をふった


『そっか』


わたしは、死ぬ前にもっとよく考えるべきだった


涙も出てこなかった


わたしはもうご先祖さまに顔向けできない


たしかにこれ、命日直前に話されてたら


わたし、ショックでそのまま消えてた…


『ありがとう、土籠。ちょっと1人になる。』


土籠｢シラべ、｣


『大丈夫。1人でいける』


プールに戻って行った



――――――――――――――――
つかさside


つかさ｢あ、そうだ。ねーさくらー｣


さくら｢なに｣


つかさ｢これ、なんだと思う？｣


取り出したのは、青い瓶。


誤飲禁止とかいてある


なんか…見たことある字体


つかさ｢あまねの助手が持ってたんだー！｣


さくら｢盗んできたの？｣


さくらの目がちょっと怖くなる


つかさ｢いーのいーの。あとで返すから！｣


さくら｢そ。ならいいけど…綺麗な瓶ね。水が入ってるわ…｣


夏彦｢ちょっと出してみたらどうっすか？｣


つかさ｢んー、そっかあ、そうしよう！｣


蓋をあけて、中身を出してみると、案の定水が出てきた


地面に着くまでは何の変哲もない水だったけど、


床につくと空洞になった


どこまでも続きそうな空洞に。


つかさ｢んー？なんだこれ…わっ！！｣


夏彦｢？！｣


空洞から白いわたみたいなのが飛び出てきた


＜外出中＞


と書かれた紙をくわえて


誤飲禁止と同じ字体だ


かなり達筆な字体


つかさ｢んー。あ！！！｣


さくら｢どうしたの？｣


つかさ｢思い出した！この字体の子っ！Aだ！！！｣


夏彦｢A？チビの友達？｣


つかさ｢んー、友達っていうか…。なんだろ。っていうかA、ここにいるんだ。へぇ｣


いいこと思いついた！

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