元祓い屋の現怪異。

＠１１ ページ12

花子「シラベ」


『あまね、』


花子「なんか言った？」


……………


『なにも、いってないよ、久しぶり』


あまねは首をかしげたけどスルーしてくれた


花子「にしてもここがシラベの境界かぁ、」


『うーん…まあ、境界かな。席番は持たないけどね』


花子「でもシラベ、強そうだよね。変身したときオーラが違ってた！」


『そう？』


花子「うん！ちょーかっこよかった！！でも足もっと見せて欲しいな〜」


『鏡見せようか？いますごい顔してるよ？』


花子「いひひ、だってシラベの足大根みたいにまっしろ」


『大根言うな！！！』


ばしいっと叩き込む


あまねは初対面相手にこんなにぐいぐい来る子だったっけ？


花子「いっ？！まあまあ本気でくる…」


『あたりまえ、あんたネネにそんなこといってるの？』


花子「ヤシロには大根って」


『さいってー』


花子「まってシラベいかないで！」


それでもかわらないな、この子は


花子「シラベ！」


『！』


だめだ


花子「シラベ〜？機嫌直して？」


だめだ


(あまね「A、機嫌直して？」)


だめだめだめだめ


伝えることは、おわりを示すから


『あまね…』


花子「！？」


『…次は花子の境界にいきたいな！』


花子「シラベ、さっき俺の、」


『なんか聞きたいことあるの？』


花子「…いや、」


『なんにしても、わたしに無償で物事を聞くのは邪道だよ。噂は守ろう！』


花子「わかった…じゃあ、次は俺の境界に来て！」


『うん、楽しみにしてる』


なんとも不服な顔で花子は帰った。


『…アウトだな、あれは』


ちょっと反省してると今度は光くんが来た


光「シラベ！！おれ、昨日どこがだめだった？！」


『…光ってよんでいい？』


光「は？」


『光くんよりも光のほうがしっくりくるんだ』


光「別にいいけど」


『だからね、わたしのことはAって呼びなさい！』


光「ん？A、？」


『わたしの、本当の名前。最近誰もよんでくれないから寂しくて』


光「わかったから、こないだの、」


『でもさ！花子の前ではシラベって呼んでね？』


光「…なんでだ？」


光は訝しげな表情になった


『いつか教えるよ。はい、で、なに？こないだの？』


光「お、おう！」


『うーん…』


正直言って、祓い屋としてまだまだ


退魔具の扱い方もちぐはぐ


あんなにいい武器なんだから、ちゃんと使わなきゃもったいない


なんて伝えようか迷ったけど、名案を思いついた


『一回わたしに模擬祓いしてみなよ』


光「はぁ？！」

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