不幸な愛のお話 (ページ10)

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▷書斎ページ10

さっき、チョロ松さんは明らかに私を書斎から遠ざけていた。怪しい…絶対に何かあるはず！

まっさきに机に向かって引き出しをあけた。

『…？』

そこには鍵ではなく、«極秘文書»と書かれた資料があった。

『何だろ』

その資料には、実験に使われた悪魔の情報が書かれていた。1ページづつに被検体の情報が記されているようだ。

パラパラとめくっていると、あるページが目に付いた。

『これって…！』
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被検体番号 044︎ ︎♂︎
███毒の投与量が完全致死量LD100を越えたため呼吸困難により死亡。このことにより、悪魔は███毒の耐性が██%あることが判明した。
(顔写真)
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その“被検体044”は、チョロ松さんにそっくりだった。

『でも死亡って書いてあるし…まさか双子？』

他の被検体の殆ども、吐き気がするような非道な実験により死亡している。

『っこんなこと…人間がこんな酷い事できる筈がない…！』

チ「…君はそう思うんだ」

『ひっ…！？』

真後ろにチョロ松さんが居た。その口元には血が付いていた。

『何で…』

チ「ああこれ、痛かったしびっくりしたよ笑」

チョロ松さんは、少し紅潮した笑顔で背中からナイフを抜きながら言った。赤黒い血が滴っている。

チ「まさかAちゃんに刺されるとは夢にも思ってなかったし、ぞくぞくしちゃった」

鉄が効かなかった、？何故…？

チ「あ、やっぱりその資料見ちゃったんだ。世間知らずなAちゃんにはまだ早いと思って、せっかく隠してたのに」

私が資料を持っている手にチョロ松さんが手を重ねてきた。

チ「“被検体044”は僕の弟だよ。そっくりでしょ？」

『そんな…じゃあチョロ松さんも実験を…？』

チョロ松さんは答えずに資料のページを捲った。