不幸な愛のお話 (ページ8)

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2周目＜ Ⅰ ＞ページ8

目が覚めるとそこは見覚えのある部屋だった。

『ここって……さっきまでのは夢…？』

辺りを見回すと、あの薄暗い部屋だった。

『夢と同じ部屋だ…ここから早く出なきゃ』

立ち上がろうとすると、誰も居なかったはずの背後から声がした。

？「おはよう」

『！ひっ…』

驚いて後ろを見ると、見覚えのあるヒトが立っていた。

『やっぱり…さっきまでのは夢じゃない……』

チ「夢で終わらせないよ？」

彼の冷たい声と目にぞっとした。

チ「…なーんてね、冗談だよ」

チョロ松さんはころっと表情を変えて笑顔に戻った。

『…あの最後のは何だったんですか』

チ「ああ、あれは生気をちょっと吸いすぎただけだよ。安心して。次で最期だからさ」

次で…最後…？

チ「さ、行こっか」

このヒトは味方ではない。それだけは分かった

『…まだ捜索してない部屋は、ここと暗室だけですね』

その部屋には〘書斎〙と書いてあった。

扉を開けると、壁一面に研究員の名簿リストが貼ってあった。ざっと1000人くらいだろうか

『そういえば何でこの研究所は廃棄になってしまったんですかね？それにこの人達もいったい何処に…？』

チ「……実験に使われてた悪魔に殺されでもしたんじゃない？」

ちらりとチョロ松さんを見ると、その表情は笑っていなかった。

チ「ま、書斎なんて手がかりは何も無いでしょ。まだ行ってない暗室に行かない？」

『あ、でもその前にあの机を─』

チョロ松さんは私に構わず、半ば強引に手を引いて書斎から出た。