罪びとだとしても。 ページ43
あれから数日。
四人と誓いを立てたあと、少しだけ時間をもらって、塩さんのもとを訪ねた。
懐かしくも思えてしまう見慣れたドアのベルを鳴らす。
はーいという声が聞こえれば、青い頭がドアからのぞく。
塩「!」
『あのね、塩さん』
驚かれたけど、私は急ともいえるくらい、すぐ話を始めた。
『私ね、塩さんたちのところで過ごせて、たくさん幸せだったよ』
塩「A……?」
『私ね! あの四人……MSSPのところに行く。塩さんが、前にいってくれたように』
塩「……和解、できたのか?」
『うん。仲良くして、たくさん楽しい思い出作ってくれるって』
私の言葉に、塩さんは笑った。
いつもみたいな、ひまわりが大きく花開くみたいな明るくてあたたかい笑顔。
塩「よかったな。これで俺たちも、安心だ」
『……ありがと、いままで』
塩「おう。あのさ、A」
『なに?』
塩「お前は罪びとだとしても、お前を思ってくれる奴がいっぱいいる。お前は独りじゃない。そうだろ?」
『独りじゃない……』
塩「あぁ。俺も、胡椒も、まおも。それから、お前を追いかけてきて、けがしてまで見つけ出してくれたあいつらも。ずっとお前のことを思ってくれてるさ」
『塩さん……っ……塩、兄ぃ……!!』
塩「おう。ほら、こいよ」
塩さんが腕を広げてくれた。
そこに迷わず飛び込んだ。
小さいころから好きだった場所。
出会ってから、自身を手放しそうになるたびに抱きしめてくれた塩さんの胸の中。
でも、それも今日が最後。
塩「行ってこいA」
胡椒「行ってらっしゃい、A」
まお「つらくなったら戻ってきていいんだからね……!」
胡椒「まおくんww 泣きそうじゃんww」
まお「だって……」
『まおさん……、私もまおさんが好きですよ。胡椒さんも、塩さんも』
まお「! 今返事っ……っ……うあぁぁっ」
塩「泣くなよまおっ!」
胡椒「ww さ、もう行きなよ、A」
『胡椒さ……あの、』
胡椒「うん。またいつでもおいで。待ってるから」
『! うん!』
――どこで過ごしても、どんな生き方をしていても、ここはAの家だよ。
三人は、そういって私を見送ってくれた。
大好きな、私の家族。
またいつか会う日まで、さようなら。
たくさんの思い出と、それから→←事故だけど、ほんとのこと あろまside
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草薙 翠(プロフ) - にこ民@怒られたさん» コメントありがとうございます!希望通りでした?^^ 頑張って作ります!はよはよでいきまっせ (2015年4月11日 20時) (レス) id: 41aa8e2655 (このIDを非表示/違反報告)
にこ民@怒られた(プロフ) - 私の希望通りになった事に驚愕してます。膝強打のゆめ民です。続編!はよ!…嘘です。無理しないでください。いつまでもは無理ですが1ヶ月位は待てます。 (2015年4月11日 19時) (レス) id: 51074c8e55 (このIDを非表示/違反報告)
草薙 翠(プロフ) - 四葉冬さん» コメントありがとうございます!了解しました( ´ ▽ ` )ノ (2015年4月10日 19時) (レス) id: 06b05f45a5 (このIDを非表示/違反報告)
四葉冬(プロフ) - 作品とても面白かったです!続編は女主で平和(つわはす)でお願いします! 続編楽しみにしてますね! (2015年4月9日 17時) (レス) id: 9554db952d (このIDを非表示/違反報告)
草薙 翠(プロフ) - 【狐織】さん» コメントありがとうございます!!了解しました( ^ω^ ) (2015年4月7日 8時) (レス) id: 06b05f45a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:草薙 翠 | 作成日時:2014年6月1日 20時