【実況者】僕と君の正義の差 ３【主にＭＳＳＰ】 ＊アンケート中！

朦朧とした世界で、 ページ34

目が覚めても、目が覚めていない。

よくわからないけど、そんな感覚がしてた。


朦朧としていて、ぼやけた世界だ。

『あー！ すっきりしないけど、私、いつまでも落ち込んでる奴じゃないし！！』

朦朧とした世界で、私は目を覚ます。

『元に自分に戻ろう！ そのほうがゼッタイ楽しいから』

どうせやってることが昔と一緒なら、別に落ち込む必要ないしね。

また追いかけっこしよう、誰かさん……おこりそうだな。

『さてと、行こうか夜』

クルル、と鳴く夜とともに、明るくなった町を避けて影に向かって歩く。

日がかげるまで影に隠れていよう。

それからまた楽しいことをしに行こう。

着替えはないし、お風呂も入れない。

赤く染まったこの姿で今の世はあるけない。

『……ひったくりはやったことないし』

手を見ても、足を見ても服を見ても、どこもかしこも赤い。

昔はなんも思わなかったのに、なんだろう。

いつの間にか、少しだけ常識を学んでしまったせいで

これはいけないことなんだって、叫んでる私が、いる。

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