その２ ページ15
次郎太刀「……主」
「…でも憎んだって何も治らない。悲しみは悲しみを生むだけで、結局いずれはまた歴史が繰り返されてしまう。
…だから私がもし神になれたとしたら、みんなを許してそれぞれの幸せへ導きたい。
例え過去をやり直せなくても、絶対中にはどこかで変われる人もいるっていう事を、理解してほしい。
…こういう面では、ある種時間遡行軍と戦う事と一緒なのかもね」
――悲劇を繰り返さぬ為、これ以上余計な被害を出さぬ為。
そう言うと次郎さんは優しく微笑み、私の頭を撫でてくれた。
次郎太刀「主…あんた本当は頭良いだろ。」
「へへっ、私はただの超絶キュートなシマエナガちゃんですよっと」
次郎太刀「ん、それでこそうちの主だよ。
審神者としてその真っ直ぐな心だけは、絶対に忘れないようにね」
「…もちろん」
そう言うと、私達は一緒にふふっ、と笑いあった。
だがそんな事をしているとようやくてっぺんが見えてきたので、私は急いで階段を駆け上がる。
「着いた…やっと着いた！」
次郎太刀「あ、待って主」
『先行かないでよ〜』と、比較的機動の遅い次郎さんは私に次いで急いで駆け上がる。
そんな彼女をゆっくり待っている中、私は前を向いた瞬間、その光景に目を奪われた。
次郎太刀「はぁ、はぁ…やっと追いついた…って、主？」
「…次郎さん、これ」
次郎太刀「え、何々……って、
うお…これは、凄いね」
――そんな私達が見たのは、綺麗な川に架けられた大きな欄干。
そしてその水に浮いていた睡蓮のハスと共に自由気ままにゆっくりと流されていたのは、朝焼け色の仄かな焔を灯していた、灯籠の数々だった。
灯籠流し――灯籠が川を下って海にまで流されるという事で、死者をあの世に送る事ができると言われている、言わば送り火を彷彿とさせる行事。現世では確かお盆や原爆の日等の大切な日に行われていたっけ。
「綺麗だよねぇ」
「「！」」
――だがそんな懐かしい記憶を辿っていた瞬間、突然背後から聞こえた声で私達はすぐに我に返る。
「世界では毎日何千人、何万人と人が亡くなっている…厳密に言えば、一分というたった短い時間の中でも最低120人くらいは亡くなっているんだ。
実を言うとこの灯籠は亡くなった刀剣男士達の数だけ、流されている。
つまり今も僕達の知らない世界のどこかで、尊い命が折られているという事さ」
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勇者の人(プロフ) - 伯方の塩さん» 一応伏線的なあれではありましたね…もう少しで完結致しますのでお楽しみに！ (2022年3月27日 22時) (
レス) id: 9d2babae06 (このIDを非表示/違反報告)
伯方の塩 - おかしいと思ってたんだ…捌のイラストが不穏な感じだって気づいてたのにッッ！！ (2022年3月27日 20時) (レス) id: 4c969d5113 (このIDを非表示/違反報告)
伯方の塩 - うああああああああああぁぁ、！！！！、！！！！！、審神者ちゃんがッッ！！嘘だあああ！初期槍様！！早くッッ！！はやぐがえっでぎでぇぇ！！！、！ (2022年3月27日 20時) (レス) @page29 id: 4c969d5113 (このIDを非表示/違反報告)
勇者の人(プロフ) - 名無しの某さん» いえいえこちらこそ閲覧ありがとうございます、次週もお楽しみにッ！！！（クソデカボイス返し） (2022年3月27日 0時) (レス) id: 9d2babae06 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの某 - うばぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!審神者ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!! 死んだら許さねぇぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!!(おま誰) 今週もありがとうございます、作者さん!!!!(大包平並みのクソデカボイス) (2022年3月26日 23時) (レス) @page29 id: 137cca8dd3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：勇者の人 | 作成日時：2022年3月12日 6時
