その４ ページ30
そう謝っていると、宗三さんは面倒そうに私の頭を撫でながら長谷部さんに向きなおる。
宗三「…長谷部、この娘なんとかならないんですか？僕はあまり他を慰められる様な刀ではないんですが」
長谷部「ああ、それなら俺が…と言いたいが、ここはあいつらだな。
お前ら、主が泣いているぞおおおお！！」
廊下に通じる襖に向けて、そう大声で叫ぶ長谷部さん。
するとその瞬間ドタドタ、と大きな足音が複数人分響き、やがて襖をスパッと開けた。
御手杵「大丈夫か主！！」
蜻蛉切「ご無事ですか…って如何なさいましたか！？」
日本号「お前の仕業かへし切！！」
長谷部「違う、俺な訳あるか！！」
内番中にも関わらず、すぐさまやってきてくれた初期槍達は事情を聞いてくれる。
やがて長谷部さんと兼さんが彼等に説明し終えると、三人は怪訝そうに宗三さんと長谷部さんを見ながらも私の横でコソコソと内緒話をし始めた。
蜻蛉切『ふむ…確かに主も悪いですが、それを理由に丸腰の彼女に抜刀してくるのはさすがにどうかと……』
御手杵『ただでさえ主はノッポ恐怖症なのに、抜刀とか…主、気にしなくていいからな。悪いのはこいつだ』
『え、そ、そんな事はないよ……私が兼さんに対してムキになったからこうなったんだし…』
日本号『うわ主を泣かせた上遠慮させるとか最低かよ。ほら嫌だねえ、これだから右府様の刀ってのは野蛮で自己中な奴等ばっかりで…』
御手杵『あいつも籠の鳥っていうか檻のゴリラ……』
蜻蛉切『おいやめろお前達、事実だとしても言っていい事と悪い事があるだろう』
『いや、そういうぼっさんが一番酷い事言ってるよ…』
コソコソと陰口を叩く三人に、長谷部さんの口角がヒクヒクと引き攣っているのがわかる。っていうか号ちゃん貴方長谷部さん貶したいだけでしょ。
そんな中宗三さんは本日何度目かもわからない溜息をつくと、立ち上がっておもむろに襖に手をかけた。
宗三「ハー…もういいでしょう、この話は」
長谷部「おい待て、どこへ行くつもりだ！」
宗三「お小夜や兄様のところへ。どうせいらっしゃるのでしょう？少しは身内に会わせてください」
――そう宗三さんが言うと、場の空気が凍った。
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勇者の人(プロフ) - 羽月さん» ありがとうございます😇🙏そこまで笑って頂けるなんて本当に嬉しいです！ (2022年9月20日 9時) (
レス) id: 9d2babae06 (このIDを非表示/違反報告)
羽月(プロフ) - 笑いすぎて喉乾いたから飲み物飲もうとしてもどーしても見ながら飲んじゃうから飲み物が喉を通ろうとしないんですとっても面白いです（ (2022年9月17日 23時) (レス) @page35 id: cd8f900caf (このIDを非表示/違反報告)
勇者の人(プロフ) - 安奈さん» それは作者としては嬉しいお言葉です。どうかお大事に（笑） (2021年12月11日 23時) (レス) @page27 id: 0ba614db75 (このIDを非表示/違反報告)
安奈(プロフ) - これ読んで笑い過ぎたのか腹筋が崩壊しました。 (2021年12月11日 20時) (レス) @page36 id: 684d6cbe53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：勇者の人 | 作成日時：2021年11月27日 6時
