その１１ ページ12
日本号「…せめて、俺達の知らない場所では消えないでくれよな」
どうせ死ぬのなら、何十年も後に俺達に見届けさせてくれ。
いつかあんたが純白に包まれて…
…いや、それは要らねえか。縁談の申し込みが来たら全部へし切に頼んで燃やしてもらえばいい話だしな。
まあ、あんたなりに幸せになってくれれば、それでいいんだ。
ただそれまでは、消えないでくれ。
日本号「……頼むぜ、主。」
そう言って少し間を置いた後、俺は主の額を優しく撫でながらそれを誤魔化すように静かに笑う。
日本号「ははっ…あんたの初期槍がこんなんじゃ、いけねえよな…」
そう言い残し、俺は立ち上がって出て行こうとした…
…が。
「…いいや、お前はこの本丸の全員が思ってる事を言ってくれた。」
「中々できない事だぜ、日本号」
日本号「そうか…って、いたのかお前ら！？」
突然前フリもなく真後ろから聞こえてくるその声達に振り向けば、そこには寝間着姿の見慣れた顔が。
蜻蛉切「俺達も主の事が心配だったものでな、寝る前に少しだけ様子を見に来た」
御手杵「なんせ、"俺達の知らないところで消えちまっちゃ困る"からな！」
日本号「…勝手に盗み聞きしてんじゃねえよ、馬鹿野郎…」
『恥ずかしいだろ』と軽く頭を掻いてそう返せば、二人は笑っていた。
すると、来客はまだいたようで…
「はっはっは、ここの古株達は素敵だな。俺も見習わねば」
「ね、皆とても主想いで優しい方々だ。」
日本号「言うんじゃねえよ、っていうか誰だか知らねえが、そういうあんた方だってここに…
…って、本当に誰だ！？」
――そう適当に返していたが、振り返るとそこには全く知らない刀剣が二人立っていた。
驚いた俺達は思わず三本揃って主の前に出て警戒したが、二人は慌てて『ごめんね』と謝罪する。
「実は主さんに疫病退散の祈祷をしようかと思ったんだけど、驚かせちゃったようだね。
改めてこんばんは。私は少し前に鶴丸国永によって顕現した、三条派の石切丸だよ」
「同じく顕現した、三条派の三日月宗近。打ち除けが多い故、三日月と呼ばれる。よろしくたのむ」
蜻蛉切「鶴丸殿が、ですか…？」
御手杵「あ、そういやなんか鍛刀部屋でやってたな」
確かにそう言われてみれば、昼頃に『主に驚きをもたらしてやろう！』と言いながら何かしていたな…あれ、鍛刀だったのか。
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勇者の人(プロフ) - 羽月さん» ありがとうございます😇🙏そこまで笑って頂けるなんて本当に嬉しいです！ (2022年9月20日 9時) (
レス) id: 9d2babae06 (このIDを非表示/違反報告)
羽月(プロフ) - 笑いすぎて喉乾いたから飲み物飲もうとしてもどーしても見ながら飲んじゃうから飲み物が喉を通ろうとしないんですとっても面白いです（ (2022年9月17日 23時) (レス) @page35 id: cd8f900caf (このIDを非表示/違反報告)
勇者の人(プロフ) - 安奈さん» それは作者としては嬉しいお言葉です。どうかお大事に（笑） (2021年12月11日 23時) (レス) @page27 id: 0ba614db75 (このIDを非表示/違反報告)
安奈(プロフ) - これ読んで笑い過ぎたのか腹筋が崩壊しました。 (2021年12月11日 20時) (レス) @page36 id: 684d6cbe53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：勇者の人 | 作成日時：2021年11月27日 6時
