ミッドナイトブルー

実感したはなし ページ9

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幸せな付き合いたての日々から数ヶ月。
連絡はとっていても、りょうは忙しくて。
お互いのスケジュールを合わせることが難しくて、
遠距離恋愛ってのを、今更実感する。


極め付けに、最近入ってきた後輩に、
私東海オンエアっていう、YouTuberが好きなんです！この人が推しで！
なんて、りょうの画像を見せられて、
りょうのことを好きな人なんて、世の中にいっぱいいるんだなあ、なんて改めて実感して。


少し広めのベランダに、１つだけ置いた椅子に腰掛けて。
りょうのTwitterを覗いてみたら、さらに変な感情になってしまって、項垂れる。
LINEのトーク画面を開きながら、電話しようか、どうしようか、と葛藤し続けて、何分たっただろう。


そんなことを考えながら、
結局電話をかけるのはやめよう、
と思って椅子から立ち上がった時に、携帯が鳴り響いて。





『……っ、もしもし？』

り「もしもし？ごめん、今大丈夫だった、？」

『あっ、うん、大丈夫だよ』

り「あれ、外？」

『ううん、ベランダにいる………っくしゅ、ごめ』

り「最近夜だと寒いし、風邪ひかないでよ？」

『ごめんごめん、家の中入るね』




家の中に入って、再び出たくしゃみに、
また心配の言葉をかけられてしまって。
負のループで落ち込んでたくせに、いつもの優しい声に余計に会いたくなってしまって。




り「ねえ、A？、元気ない？」

『へっ、あ、ごめん、大丈夫だよ』

り「なに？言ってよ、あ、ねえ、ビデオ通話にしよ、」

『え、やだ、すっぴんだもん、』

り「見たことあるからだいじょーぶ」

『ええ、、、』

り「ね、お願い」




そう言われて、少しだけ髪をとかして。
カメラをオンにすれば、りょうも画面に写っていて。
顔を見たら、余計に会いたくなってしまって。




り「ほら、元気ないじゃん、」

『………あの、わがまま言ってもいい？』

り「なーに？」

『………あいたい、さびしい、』

り「っ、ごめんね？最近会いに行けてなくて」

『っあ、ちがうの、やっぱり、ごめん、』

り「いーよ、ちゃんと言ってくれる方がうれしい」




そう言って、俺だってAに会いたいよ、なんて。
黙っていれば、あ、なんて突然声を出されて。




『……ん？』

り「A、甘えたくなったからって、男はだめだからね？」

『へっ、！？、男の人にはさすがに、抱きついたりしないよっ、』

り「それなら、安心、ふふ、」









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