その後:送ってあげたいから ページ22
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スタジオのソファで作業をしていれば、隣が沈んで。
ぱっと横を見ればりょうくんが座っていて。
り「……こないだの?」
『………ん?あ、そう、こないだ撮ったやつ』
そう言って私に近付いて、画面を覗き込むりょうくん。
覗き込んだ瞬間に、え?なんて声を出して、こちらを見つめられて、額の下に手を入れられた。
り「熱ある?」
『んー、ちょっとだけ、』
り「………てつや、知ってんの?」
『……………気付いてないんじゃないかなあ、りょうくん、よく気付いたね、モテる男は違うなー!』
そう言って、ソファを立ち上がろうとすれば、
ぱっと腕を掴まれて、ソファに逆戻り。
り「……こら、逃げない。熱、まあまああるでしょ?」
『………だーいじょーぶだって、』
り「てつやだけでも、言っておきな?」
『………だいじょーぶ、』
り「もう、A」
『…………大丈夫!帰ったらちゃんと薬飲んで寝る!』
そう言って、もう一度勢いよくソファから立ち上がれば、後ろからりょうくんの溜息が聞こえたけど、知らない。
なんとなく、心配かけたくないなあ、なんて柄にもなく思ってしまって。
きっと、今日1日頑張って、ちゃんと寝れば治るはず。
て「Aー?いるー?」
『はあーいー、!』
て「こないだの企画のやつなんだけど、」
『うん、』
て「………………A?」
名前を呼ばれたと思えば、顔を覗き込まれて。
そのまま手の甲を首元に当てられて、思わず避けようとすれば、腕を掴まれて。
て「ばか、熱あるじゃん、」
『…………………:』
り「ほら、結局バレるんだから。」
て「えーなにーいー?俺知らなかったのに、りょうは知ってたの?」
そう言われて、ちょっと笑ってるてつやの方を向いて、黙れば、別に怒ってないけどね、なんて言われて、ほらおいで、なんて手を引かれて。
『…………え、てつや?』
て「今日はもう何もしなくていいし、すぐ帰りんって言いたいところだけど、送ってあげたいから、しばらく寝てな?」
『え、だいじょーぶ、できるよ、?』
て「Aさん、熱測りましたー?」
優しい顔で寝てな?なんて言われて、そのままちょっと呆れた顔で、熱測った?なんて額に触れられて。
ふいって顔を晒せば、なにー?照れたのー?なんて言われて、そのままてつやの腰に手を回して。
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通りすがり - 最高だ!かわいい! (2021年9月5日 0時) (レス) id: d5b045b758 (このIDを非表示/違反報告)
さんかく(プロフ) - 常夏さん» そんなこと言っていただけるなんて……!ありがとうございます! (2020年11月16日 23時) (レス) id: 275b77238f (このIDを非表示/違反報告)
さんかく(プロフ) - おかゆさん» こちらこそコメントうれしいです…………!ありがとうございます! (2020年11月16日 23時) (レス) id: 275b77238f (このIDを非表示/違反報告)
常夏(プロフ) - 一気読みしてしまいました…。 面白かったー!!! (2020年11月15日 22時) (レス) id: 3853130063 (このIDを非表示/違反報告)
おかゆ(プロフ) - あわわわわわわわ!!まさかの更新にときめきが抑えられませぬ!!!ありがとうございます!!! (2020年9月27日 21時) (レス) id: 2797378088 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さんかく | 作成日時:2020年7月15日 1時