グレープフルーツサワー

可能性0じゃないでしょ？ ページ13

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り「で？なに？好きになっちゃった？」





撮影が終わった後
りょうと2人で外に出て
料理が運ばれ終わったタイミングで
真っ先に聞かれて思わず吹き出す。






『ぶっ！いや、ちがうよ！』


り「ちょっと、女の子なんだから。綺麗に食べてよ」


『りょうくんが突然変なこと言うからじゃん』


り「だって、恋愛相談って言うから。じゃあ、なんなの？てつや以外に好きな人でもできた？」


『そーゆーわけじゃないけど、』






目の前で、パスタをくるくるしながら、
りょうくんは、表情変えず淡々と聞いていて、
けど？なんて、言われる。






『わたしとてつやってさ、付き合うことになっても大丈夫なのかな』


り「ん？それは、何を心配してんの。動画？視聴者？」


『んー、まあ』


り「他にもなんかあるでしょ、思ってること」


『……てつやのこと、振り回してる気がして』


り「なんで？」


『好きって言われてもちゃんとした返事しないしさ、あやふやなの、良くないのかなって』


り「Aはさ、てつやと付き合う可能性0なの？」


『え？そんなことは、ないと思うけど……』


り「可能性0になったら、断ればいーじゃん、てつやも返事急いでるわけじゃないでしょ」


『そう、、だけど、、』


り「あと、動画のことだけど、そこは気にしなくていい。アンチが増えても気にしなきゃいい話」


『そっか、、』






私がずるずる話してるうちに、
りょうくんはパスタを食べ終わったようで。
テーブルに膝をついて、手のひらを顎に当てて、
Aさあ、なんてこっちを向いて。






り「Aさあ、今まで散々男振り回してきたのに、なんで、てつやはそんな慎重なの」


『んねえ！言い方！』


り「だって、事実」





まあ、ある程度の恋愛はしてきたし、
こっちが好きになるより、あっちから、
好きになられて、の方が多かったかもしれないけど！
振り回したつもりはないけど！





り「今までとはちょっと違うでしょ？」


『だって、大事だもん、てつやは』





そう言えば、にやっと笑われて。
ふうーんなんて、言われて。
向かい側から、伸びてきた手に、
髪の毛をわしゃわしゃってされて。




り「まあ、たくさん悩めば」


『ええ！んもう！』


り「デート楽しんでおいで」




そう言うりょうくんに、
はあーいなんて返事をして席を立って。
好きになりかけてるの認めたくないだけじゃん、
なんて、りょうくんの言葉は私には聞こえない。








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